現在において素晴らしいマーケティング活動の鍵となるものはなんでしょうか?「機敏であること」と考えたあなた、自分を褒めてあげましょう。
顧客の期待は新しいテクノロジー、インターフェース、タッチポイントが出るたびに変化し、新しい方法でブランドと繋がることを可能にします。新しいデジタルマーケティングツールと資産を構築するのには時間がかかります。全てのチャネルにパーソナライズされたキャンペーンを行うのはまさに他社との競争です。御社の顧客に音声アシスタント技術を提供しましょう、競合との競争が始まる前に新しいツールと技術を連携させましょう。
どうすれば御社のデジタルプラットフォームと御社のチームが、新しいテクノロジーとタッチポイントを構築・連携する際にアジャイル思考で柔軟でいることができるでしょうか?API(Application Programming Interfaces)を使えばそれを達成できます!
APIって一体何ですか?
スマホやコンピューターのインターフェースを思い浮かべてください。大好きなアプリかウェブサイトを開くと、その中にある情報を理解し、変換し、解釈することができます。
APIというのはユーザーインターフェースや機械のようなもののことです。APIを使えば御社のサイト、ソフトウエア、アプリケーションが外部システムからデータにアクセスし、あなた自身のものに変換することができます。
APIを通じてアクセスできるデータの種類と量には制限があります。バーチャル上の契約がAPI提供者と利用者の間で交わされ、契約条項とパラメーターは壊されることがありません。
マーケターが日常的にやりとりしていると思われる多くの大企業には公開APIがあり、アクセスして活用することができます。それらにはGoogle、Twitter、Amazon、Salesforce、Hubspotなどたくさんの企業のものが含まれます。
なるほどわかりました。APIを通じてどんなことが達成できますか?
APIによって外部企業や外部サービスから機能やデータを活用できます。例えば御社のマーケティングチームがチャットボットを実装したかったり、CRMデータを活用して動的でパーソナライズされたコンテンツをウェブサイトに展開したかったり、ウェブフォームやアンケートを実装したいとしましょう。外部企業やサービスがパブリックAPIを持っており、データにアクセスしコードを呼び出し、色々なツールを御社のプラットフォームに実装することができるのです。
ニューヨーク州最大のヘルスプロバイダーであるNorthwell Healthは、Amazon APIを活用し自社のDrupalからデータを引き出し、患者に音声テクノロジーを使って救急病院の場所をお知らせしたり、待ち時間をお知らせするAlexa Skillを構築しました。
ご紹介した例は、APIで何ができるのかを説明するほんの一例に過ぎません。このAPIエコシステムはものすごい勢いで成長しています。色々な機能やツールがどんどん連携できるようになっており、自社のマーケティング戦略にて活用できます。
APIファーストのデジタル戦略を検討しましょう
サードパーティーのAPIを活用することはマーケターにとって鋭い選択です。未来を見据えることは非常に重要です。自社のデジタルエコシステムにAPIファーストのデジタル戦略を導入せざるを得ない理由がたくさんあります。もし御社がウェブサイト、アプリ、社内コミュニケーションネットワーク、ユーザーコミュニティなど連携可能なシステムを開発していればなおさらです。
結果的にそのようなシステムは複雑に絡み合った塊のようなものです。ある場所をハサミで切ってみましょう、糸は二つに分かれるはずです。そうなるとアジャイルマーケティングを実行するのが非常に難しくなります。開発チームによるわずかなシステム変更がシステム全体のユーザー機能に影響を及ぼす可能性がある場合は、どうすれば迅速に改善できるでしょうか?
前向きな考え方をする企業は固まった糸のようなシステムを捨て去り、APIデザイン戦略の方に切り替えます。つまり、どのシステムもデカップルされ、APIが搭載された状態でプラットフォームを構築でき、組織全体に渡って色々な仕組みを提供することができるようになります。
APIファーストの構造を持つことにより、色々なシステムと連携でき、簡単にアップデートできるだけでなく、未来のテクノロジーや顧客が変化した際にも柔軟に適用できます。ある企業ではAPIを社内用として運用するケースもありますし、公開する方針で運用する企業もあります。
御社がまだ自社のAPI活用を考えたことがないなら、まさに今始めるのが最適です。APIファーストのインフラを理解するためにあなたが開発者になる必要はないのです。むしろ社内でAPIのチャンピオンになる方がマーケターにとっては大事です。さもなければ他社と比較して遅れをとることを実感するかもしれません。なぜなら競合他社はAPIの利点を活用しすでに実装しているため、御社よりも先により良い顧客体験を提供しているからです。
マーケティングの俊敏性は正しいマーケティング戦略・技術基盤によって達成できます。
(Photo by Maxime VALCARCE on Unsplash)
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