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Drupal 7サポート完全終了:今すぐ始めるべき安全な移行への道筋
この記事の目次

はじめに

Drupal 7のサポートは何度も延長されてきましたが、2025 年 1 月 5 日をもって完全に終了しました。これ以上の公式延長は行われず、セキュリティーパッチや保守サービスも一切提供されません。今後Drupal 7を使い続けると、深刻な脆弱性にさらされるリスクが急上昇するため、「安全なDrupalバージョンへの移行」または「延長サポートの導入」を早急にご検討ください。

なぜ Drupal 7 を使い続けると危険なのか?

危険要素内容
セキュリティーリスクサポート終了後はセキュリティーパッチの提供が止まるため、脆弱性を狙った攻撃(ゼロデイ攻撃含む)を防ぎにくくなります。
モジュールの停止コミュニティが開発・保守しているcontrib モジュールやテーマが相次いで「サポート対象外」となる恐れがあります。
運用コストの増大新たな脆弱性発生時に公式の修正パッチが提供されなくなるため、独自に対処が必要になり、人件費・時間的コストが増大します。
PHP 5.6 以下の非対応2023 年 8 月 1 日以降、Drupal 7 はPHP 5.6 以下をサポート対象外とする方針が示されており、互換性維持が難しくなります。
Windows 対応の終了Drupal 7 のWindows 専用セキュリティーフィックスが提供停止となり、Windows 環境での運用はさらに困難になります。

ポイント:

  • サポート終了=危険度が一気に上がる
  • セキュリティー脆弱性の公開リスク・対応コストが急増
  • 早めの行動が「安全」と「コスト削減」のカギ

新たに加わった制約(2023/08/01 以降)

  1. Drupal 7 の中程度以下のセキュリティー問題への対応縮小

    大規模なエクスプロイトが見込まれない限り、公開イシューキュー(一般公開の場)で対応される可能性があります。修正後もセキュリティーアドバイザリー(SA)が発行されないことがあるため、早期発見が難しくなります。

  2. 一度「サポート対象外」になったモジュール・テーマの復活不可

    Drupal 7 の contrib モジュールやテーマが「サポート対象外」とマークされると、新規メンテナーの就任は不可です。その結果、保守されないまま脆弱性が放置されるリスクが高まります。事前にメンテナーになるか、移行を検討することを強く推奨します。

  3. PHP 5.6 以下のサポート終了

    現在 PHP 5.5 以下で動いているサイトは、Drupal 7 を継続する場合でも PHP バージョンを上げる必須作業が発生します。

  4. Windows 専用のセキュリティーアップデート停止

    Windows 環境で Drupal 7 を運用している場合は、他 OS への移行が必須になります。

Drupal 7 サポート終了スケジュールと対処の流れ

時期主な変更点・注意点推奨アクション
2023/08/01

- Drupal 7 の中程度以下のセキュリティー問題は公開イシューキューで対応

- 一度「サポート対象外」になったモジュールは保守再開不可

移行/延長サポート の検討を開始
~2024 年末- 実質的に 2024 年末までに移行完了 するのが望ましい早期の移行開始で作業負荷・コストを分散
2025/01/05- Drupal 7 サポート完全終了- セキュリティーパッチ、モジュール保守が完全停止延長サポートを利用しない場合は この日までに移行を完了 する必要あり
2025/01/05 以降

- 公式サポート終了後は脆弱性が放置される恐れが大幅増大

- 新機能追加やコミュニティ保守は一切提供されない

Drupal 7 を継続利用する場合は必ず延長サポート を導入 もしくは早急に移行

現在(2025/02/06)時点で、Drupal 7 は既にサポート終了しています。オフィシャルのセキュリティー修正は一切提供されず、脆弱性リスクは急増中です。

どうすればいい? サポート終了後の今こそ「移行」または「延長サポート」の導入が必須

2025/02/06 現在、Drupal 7 は完全にサポートが打ち切られた状態 です。

すでに公式パッチやコミュニティモジュールの更新も止まっており、このまま放置するとセキュリティー面で極めて危険といえます。

今からできる対策は、以下の 2 つです。

  1. Drupal の安定バージョン(例:Drupal 10)へ移行
    1. 安全かつ最新の機能を利用可能。
    2. サイト規模やカスタマイズ度合いに応じて、移行計画の早急な着手が必須。
  2. 延長サポート(D7ES)を導入
    1. 公式サポート終了後も、セキュリティー修正や脆弱性対応を受けられる。
    2. 移行の準備期間を確保したい、すぐに大規模リニューアルが難しい場合の一時的な延命措置として有効。
  • D7ES(Drupal 7 Extended Support): コミュニティサポート終了後も継続的にセキュリティー対策を行うプログラム
  • サイト移行支援: 移行スケジュール策定・必要な開発工数や費用の見積もりなど、スムーズな Drupal10 への移行をサポート

Drupal 7 の延長サポートは時間を稼ぐ方法として有効ですが、最終的には新バージョンへの移行が必須です。スムーズかつ安全な移行のため、経験豊富なパートナーを活用しましょう。

Drupal 7 サポート終了がもたらすリスク

  1. セキュリティーチームからの保守停止
    • Drupal 7 コアや contrib モジュールへのセキュリティーアドバイザリー(SA)の発行がなくなり、脆弱性が公の場で漏洩する可能性があります。
  2. Drupal 7 関連機能が Drupal.org から削除・制限される
    • テストやパッケージング、アーカイブファイルのダウンロードなどが今後停止・削除される見込みです。
  3. Drush などの開発支援ツールにも影響
    • Drupal 7 用の機能が停止または使用困難になるリスクがあります。
  4. 法的・社内規定への抵触
    • セキュリティーリスクが高いバージョンの CMS を使用していると、法令遵守や内部監査上の問題になる恐れがあります。

安全に使い続けるための最重要ポイント

  1. 今すぐにでも「移行」または「延長サポート」の導入を決断する

    Drupal 7 は既にサポート終了しており、脆弱性が放置されるリスクは極めて高い状態です。放置するとコストやリソースの負担が雪だるま式に増えるため、できるだけ早く移行または延長サポートを検討してください。

  2. 利用中のモジュールやテーマを再点検する

    一度「サポート対象外」になった Drupal 7 モジュールやテーマは、新たにメンテナーを任命できません。現在使用しているものが保守されていない場合、深刻なセキュリティーリスクを抱えている可能性があります。速やかにアップグレード先や代替モジュールの検討を進めましょう。

  3. PHP やサーバー環境をアップデートする

    Drupal 7 を短期間でも継続運用するなら、推奨バージョンの PHP と OS への更新が必須です。ただし根本的な問題として、Drupal 7 自体のセキュリティーが保証されなくなっているため、移行や延長サポートの導入と併せて検討することを強く推奨します。

  4. 実績あるベンダーの支援を活用する

    専門家による Drupal 7 延長サポート(D7ES)や Drupal 10 への移行支援を受ければ、リスクと負荷を最小限に抑えられます。特に大規模サイトや複雑な機能を持つサイトは、計画的かつ段階的な移行が必要となるため、プロのサポートが最も確実です。

ANNAI × amazee.io の Drupal 7 延長サポート & 移行サービスへ!

  1. Drupal 7 サイト延命と安心運用

    公式サポートが終了しても、必要なセキュリティーアップデートを継続して提供

  2. Drupal 10 への移行支援

    サイト規模・状況に合わせた移行計画の策定から、開発・テスト・リリースまでワンストップ支援

  3. 長年の Drupal 実績

    ANNAI と amazee.io は共に、Drupal コミュニティで多数の実績とノウハウを持つパートナー

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まとめ

Drupal 7 をこのまま使い続けるのは非常に危険です。早期の移行、もしくは延長サポートの導入でセキュリティーと安心を確保し、将来的には Drupal 10 などの最新機能と安定性を活用しましょう。

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この記事を書いた人: Ryunosuke Matsuoka

猫好きなエンジニア兼マーケティング担当。趣味はサッカー観戦。