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この記事は「 Drupal Case Study : Edmonton International Airport 」の翻訳です。
この記事の目次

 

Drupal 海外事例:Edmonton International Airport

エドモントン国際空港公社はアルバータ州北部にあり、急成長中している国際空港の運営企業です。市場シェアを拡大するために精力的に活動しており、近隣の空港とも競合しています。彼らは、ブランドイメージ刷新する大プロジェクト、そして顧客により良い経験を提供するための広範な施設改装を終えました。それに伴いサイトも刷新しました。

なぜDrupalが選ばれたのか

Drupalが選ばれたのは、カスタマイズ性に優れていたからです。既存のサイトでは、オープンソースではない製品との連携が難しく、新規サイトではFIDS(運行状況表示システム)との連携が求められていたからです。

これまでDrupalでの開発経験があり、カスタムモジュールを作って連携するのが比較的容易だったからです。
空港公社がコンテンツ管理を行うにあたり、Drupalでは多くのカスタムコンテンツタイプを作ることが可能だったからです。

プロジェクトについて(ゴール、要望、成果)

エドモントン国際空港公社はアルバータ州北部にあり、急成長中している国際空港を運営しています。市場シェアを拡大するために精力的に活動しており、近隣の空港とも競合しています。彼らは、ブランドイメージ刷新する大プロジェクト、そして顧客により良い経験を提供するための広範な施設改装を終えました。

プロジェクトのRFP(Request For Proposal、提案依頼書)

既存サイトの問題点は、空港のブランドを踏襲していなかった点です。古いサイトで、編集作業自体が難しく、古いCMSの上で動いていました。クライアント様は、運営にあたりそういった古いシステムは求めていませんでした。

ソリューション

ユーザーと関係者の調査

納期は6ヶ月、限られた予算という制約の中で、優先度を決めなければいけませんでした。事前調査のためのワークショップを通じて、プロジェクトチームは大きな問題点を調査しました。

どの部分を変更すれば公社やその先のお客様にインパクトを与えることができるのか?それを探るべく、コアユーザーの体験を絞ることに集中しました。搭乗前にお客様は何を知る必要があるのか、何をするのか、という点です。調査に基づいて、良いウェブ体験を提供するためのコンテンツデザイン、技術を選定していきました。

コンテンツ戦略とインフォメーションアーキテクチャ

現状サイトにはたくさんの重複コンテンツがありました。そのほとんどが古いものでした。広範囲にわたるコンテンツ調査の結果、不要なたくさんのコンテンツを排除し、ナビゲーションを合理化し、コアな部分にコンテンツを絞りました。さらに、顧客のユーザー体験のコアな部分に絞ってインフォメーションアーキテクチャを再構築し、社内組織などの情報は排除しました。

そして、構造化されたセマンティックWebコンテンツを作成して、ユーザーのニーズを満たすのに役立つコンテンツテンプレートを作成しました。その後、自動コンテンツ移行ツールを使用して何百ものページを古いCMSから新サイトの構造に合うように移行しました。

ユーザー体験のデザインとビジュアル

サイト全体の見栄えを大幅に変更し、新ブランドを目立たせました。私たちはクライアントチームと繰り返し設計し、ワイヤフレームなどを構築して、サイトの外観と動作を正確に把握するようにしました。デバイスからも操作しやすいレスポンシブデザインを採用し、デバイスごとに設定をしないといけない手間を省きました。

カスタムDrupalの開発

DrupalのThemingとコンテンツ移行が終わると、カスタム仕様の開発に移りました。

飛行機の発着情報は、空港にとって最も重要なコンテンツです。その情報を公開するFIDSというツールは、複数のソースから提供され、定期的にアップデートされます。新規作成したツールではそれを完璧に表示する必要があり、さもなければお客様に迷惑がかかってしまいます。

FIDSはかなりヘビーなウェブアプリケーションなので、サイトのパフォーマンスが落ちないようにしなければなりませんでした。複数の外部データベースよりデータを取得し、特定のテーブルに継続的にデータを反映しなければなりません。開発チームはフロントエンドはIIS、バックエンドはSQLで動くWindowsのプラットフォームで正しく作動するかどうかを確認するために、数え切れないほどの時間をこの開発に費やしました。この部分はすごく難しい開発でした。

結果

コンテンツ戦略とサイトガバナンスの手法は、クライアント様のウェブ運営に非常に役立ちました。全ての関係者様が、役に立つ情報をどのように作成、投稿、運営維持するのかを学びました。

ユーザー体験の戦略とレスポンシブデザインを実装したということは、技術トレンドが新しくなっても、クライアント様はサイトを大幅にデザインし直さなくてもよくなった、ということを意味します。どんな変化にも適応できる、ということになります。

そして彼らにとって新しいCMSであるDrupalを導入したことは、サイトを構築し、維持運営していくのが容易になったことを意味します。コミュニケーションチームは、電話やメール、会議などで確認しなくても、一つのプラットフォームでワークフローを管理できるようになりました。

それに加えて、以下のような成果がありました。

  • コミュニケーションチームが新しいCMSを活用して素晴らしいWebコンテンツを作成し、効率を高めるためにコンテンツの編集者を分散させるのに役立ちました
  • どんなデバイスを使っているかに関わらず、ユーザーが欲しい情報に素早く到達できるようなユーザー体験を提供できるようになりました
  • 柔軟なオンライン広告フレームワークを作成し、クライアントの新たな収益獲得に貢献しました
  • 関係者が重要なコミュニケーションのみにフォーカスできるようになりました
  • 関係者が、コンテンツ作成とその読みやすさを実現することにフォーカスできるようになり、古いCMSを使って運営することなく価値のある情報が溜まっているサイトになりました

     

終わりに

いかがでしたか?納期や予算が限られたプロジェクトの事例でしたが、だからこそ重要なユーザー体験に絞ってコンテンツを再設計し、結果プロジェクトは成功に終わりました。

Drupalの開発に限らず、ユーザーが求めている情報をアクセスしやすい形で提供することは、どのWebサイトにとっても重要なポイントだと思います。そういう視点も参考になれば幸いです。

 
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この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

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