ほぼ毎日消費者はブランドと関わっていますがどのように関わっているか、いつ関わっているか、なぜ関わっているかは人によって違います。成功するマーケターは、素晴らしい製品を持っていることだけでビジネスが成功するとは思いません。消費者を魅了し繋がり続けるために、マーケターはカスタマーエクスペリエンスにフォーカスしなければなりません。それは今日顧客とどのカスタマージャーニーにおいても関係を構築しなければならないという意味になります。
チャレンジはそのスケールです。あたなのお客様は一人ではないはずです。数人、数百人、数千人いるかもしれません。そしてお客様は常に動いています。マーケターとして、あなたは運転席からメッセージをコントロールし、消費者がどのようにそれを受け取るのかなどをコントロールする時代ではないのです。消費者がブランドと共に経験したいジャーニーや経験を(何をどこでいつ消費したいかという観点において)決めるのです。そして毎度体験するデジタル体験が一人一人にあったものであることを期待します。
マーケターとして、あたなは顧客が気にかけていることを特定して、適切なタイミングで会話を開始したり参加したり、顧客が探しているときに最も関連性の高い情報や経験を提供したりすることができます。コンテンツとマーケティングパーソナライゼーションのコンセプトは新しいものではありませんが、企業にとっては実行するのがまだ難しいかもしれません。その理由は以下の通りです。
カスタマージャーニーを阻む3つのこと
マーケターは消費者のカスタマージャーニーをそこまで知らない
消費者のことを知っていたとして、消費者それぞれのことをどれぐらい知っていますか?消費者はウェブ、ソーシャル、コマース、IoT、コールセンター、デジタルチャネルと非デジタルチャネルの間を行き来しています。消費者は色々な話題について、異なる時間軸で様々な種類の情報を求めています。消費者はブランドがそれぞれに対し適切な答え、コンテンツ、または製品を提供してくれることを期待しています。
多すぎるマーケティングチャネル、少ないリソース
マーケターはあらゆる話題と色々なチャネルで違ったコンテンツを消費するユニークな消費者ペルソナを育成しています。人、予算、時間は限られています。マーケターはリソースが不足し、消費者のカスタマージャーニーを理解しているため、古い情報や信頼性の高い一般的なコンテンツを消費者が消費するリスクに頼ることがあります。コンテンツはすべての可能なチャネルに配信され、多くの場合顧客に最も関心のある情報を提供しないことによって、顧客を苦しめます。一部の組織は、既存のテクノロジーを置き換得るか、時間とリソースをかけてソリューションを統合し、カスタマージャーニーがうまく機能するようにすることもあります。(でもその多くは手動です)両方のオプションは理想的ではなく、IT部門や他の部門も関わることでさらに難しい課題となります。
データ、チャネル、システムがつながっていない
マーケターは、豊富なチャネル、システム、データを使用して、マーケティング、カスタマーサービス、広告などのチームを横断する顧客体験を提供しています。これらのツールが個々に機能する時、データを統合してカスタマージャーニーを創造することはできません。多くの場合、これらのツールは互いに対話しておらず、顧客データとコンテンツをシステム全体に分割して残しています(例:コンテンツマーケティングシステム、マーケティングオートメーションツール、CRMなど)このような環境では、マーケティング担当者が各顧客のユニークな関心や行動を理解しにくくなり、リアルタイムデータに基づいて顧客の行動に反応することが不可能になります。
カスタマージャーニーをいい方向に導くためのTips
マーケターにはカスタマーがジャーニーの途中でどのポイントに入るのか、いつどんなことに気をかけているのかということを知るための助けが必要です。また、既存の投資活動をレバレッジさせながら消費者にとって正しいコンテンツを正しいタイミングで提供していくためのソリューションも必要です。
カスタマージャーニー戦略を考えるために、その道の障害を取り除き、消費者を正しい道に導くためのヒントをいくつか紹介します。
顧客を理解しましょう、顧客データとコンテンツを一元管理しましょう
消費者はいろんなところで情報に触れます。そしてそれはデジタル環境だけではありません。例えば、車を買おうと検討している顧客であれば、メーカーサイトに訪問しメルマガ登録し、ツイッターでメーカーのアカウントを発見しそこでいくつかの質問をし、その後やっと販売店に訪問します。パーソナライズされたカスタマージャーニーで成功するというのは、正しいカスタマーデータと連携したシステムを持つことと同義です。連携したデータ無くして顧客が何をどんな時に欲しているのかを知ることは不可能です。各マーケティング施策のツールは個別に対応可能ですが、コンテンツとデータを統一できるソリューションに統合する必要があります。これにより、すべてのツールが一元的に動作するようになり、データに基づいたパーソナライズされた体験を、カスタマージャーニーの各段階で提供することができます。
柔軟なコンテンツ戦略と提供戦略を考えましょう
既存のリソースを最大限活用するために、デジタル体験を提供するプラットフォームやCMSが、(ウェブだけでなく)チャネルのに違いに応じて柔軟にコンテンツを届けることができるかどうかを確認しましょう。そうすることで現在も、新しいデジタルチャネルが生まれた時もカスタマージャーニーをサポートすることができます。メールやモバイル宛にコンテンツを提供することは可能だと思いますが、チャットボットやAmazon Echoのようなデバイス類への対応準備はできていますか?全ての顧客に完全に対応するチャネルは存在しないのです。CMSが「APIファースト」(コンテンツをプレゼンテーションから分離することを意味する)というデカップリングアーキテクチャを活用することで、バックエンドからコンテンツを引き出すことができます。
カスタマージャーニーオーケストレーションツールを使用して、ジャーニー全体を通して顧客体験をパーソナライズする
顧客のペルソナを横断し大規模にカスタマージャーニーを可能にするには、デジタルでも非デジタルでもカスタマージャーニーを実行できるツールを導入することを検討しましょう。そういったツールはAPI、データベース、キューにもシームレスに接続できます。
(Photo by chuttersnap on Unsplash)
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