ノーコードCMSの利用状況
日本国内では、個人ブログや中小企業のコーポレートサイト、飲食店や小売店の紹介サイトなど、多岐にわたる用途でノーコードCMSが利用されています。これらのCMSは、専門的な知識がないユーザーでも簡単にWebサイトを立ち上げることができ、短期間での公開が可能です。特に、店舗やイベントの告知サイト、ポートフォリオサイトなど、小規模かつ迅速に立ち上げる必要があるサイトでよく活用されています。
代表的なノーコードCMS
CMS名 | 機能 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ペライチ | - 豊富なテンプレートを活用した簡単なWebサイト作成 - ドラッグ&ドロップによる直感的な編集 - SEO対策やアクセス解析機能の搭載 | - 専門的な知識がなくても短時間でサイト構築が可能 - テンプレートが豊富で、多様なデザインに対応 | - カスタマイズ性に制限があり、独自の機能追加が難しい - テンプレートに依存するため、デザインの独自性が出しにくい |
Wix | - 多彩なテンプレートとデザインオプション - アプリマーケットによる機能拡張 - モバイル最適化やSEOツールの提供 | - 初心者でも使いやすいインターフェイス - 多機能であり、さまざまな業種に対応可能 | - 無料プランでは広告が表示される - 独自ドメインの使用には有料プランへの加入が必要 |
STUDIO | - デザインとコーディングを一体化した編集環境 - リアルタイムでのプレビュー機能 - チームでの共同編集が可能 | - デザイン性が高く、細部までこだわったサイト制作が可能 - コーディング不要でありながら、高度なデザインを実現 | - 他のノーコードCMSに比べて学習コストが高い場合がある - 一部の高度な機能は有料プランでのみ利用可能 |
ノーコードCMSの共通するメリットとデメリット
ノーコードCMSはプログラミング知識が不要で簡単にサイトを構築でき、短期間でコストを抑えてサイトを公開できるというメリットがありますが、カスタマイズ性や移行の難しさ、セキュリティ面での制約といったデメリットも抱えています。
共通するメリット:
プログラミング知識が不要で、誰でも簡単にWebサイトを構築できる
ノーコードCMSは直感的なインターフェースを提供しており、専門的なプログラミング知識がなくても、ユーザーはドラッグ&ドロップで簡単にWebサイトを構築できます。そのため、初心者や非技術者でもすぐに利用を開始することが可能です。
短期間でサイトを公開でき、コスト削減につながる
従来のWebサイト構築に比べて、ノーコードCMSを利用することで開発期間を大幅に短縮できます。これにより、開発コストも削減され、特に予算が限られている中小企業にとっては魅力的です。
テンプレートやデザインオプションが豊富で、多様なニーズに対応可能
ノーコードCMSは豊富なテンプレートとデザインオプションを備えており、さまざまな業種や目的に対応したサイトを構築することができます。テンプレートを活用することで、プロフェッショナルなデザインを短期間で実現できます。
共通するデメリット:
カスタマイズ性に制限があり、独自の機能追加やデザインの自由度が低い
ノーコードCMSでは、提供されているテンプレートや機能に依存するため、独自の機能やデザインを追加する際に制限があります。特定のビジネス要件に対応するカスタマイズが必要な場合、開発の柔軟性が不足することがあります。
サービス提供者のプラットフォームに依存するため、移行や拡張が難しい
ノーコードCMSは特定のサービス提供者のプラットフォームに依存しているため、他のCMSやシステムへの移行が困難です。また、プラットフォームの変更やサービス停止などのリスクが存在します。
高度なセキュリティ対策やパフォーマンスチューニングが難しい場合がある
ノーコードCMSは一般的にユーザーの手で直接セキュリティ設定やパフォーマンスチューニングを行うことが困難です。特に大規模なWebサイトやセキュリティ要件が高いプロジェクトでは、これらの制約が大きな課題となる可能性があります。
デメリットの解決策としてのDrupalの活用
Drupalをホスティングサービスで運用することで、上記のデメリットが解決されます。
- カスタマイズ性の向上
Drupalはオープンソースであり、非常に柔軟なカスタマイズが可能で、独自のコンテンツタイプを簡単に作成し、それに対応するフィールドも追加できます。さらに、アクセス制御の細かい設定や、特定の業種に合わせた機能を追加できる点も大きな強みです。専用ホスティングサービスを使用することで、セキュリティやパフォーマンスも最適化され、大規模なサイトでも安定した運用が可能です。 - プラットフォーム依存の解消
サイトを自社サーバーや選定したホスティングサービス上で運用することで、サービス提供者に依存するリスクを軽減できます。これにより、サービス停止やプラットフォームの仕様変更といった予測不可能なリスクにも柔軟に対応可能です。また、システムの移行や運用環境の変更も容易で、業務の成長や要件の変化に合わせてホスティング環境を最適化できます。自社運用の自由度を確保することで、ビジネスのニーズに応じたスケーラブルなサービスが実現します。 - セキュリティとパフォーマンスの強化
適切なホスティングサービスの利用によりセキュリティ対策やパフォーマンスの最適化が可能になります。従来は専門的な知識を持つ開発者や運用者が必要であったホスティングサービスですが、amazee.ioプラットフォームを利用すれば、セキュリティやインフラの専門家が不在でも最適なプラットフォームが構築可能です。Drupalはセキュリティに強く、アクセス権限のきめ細かな管理や、堅牢なセキュリティモジュールを使用することで、企業レベルの安全性を確保できます。また、ホスティングサービスを利用することで、DDoS攻撃対策やキャッシュの最適化などにより、サイトのパフォーマンスとセキュリティを向上させることが可能です。
まとめ
日本国内では、ノーコードCMSが個人ブログや小規模企業のサイト構築に広く利用されています。これにより、専門知識がなくても短期間でサイトを公開できる利便性が評価されています。代表的なCMSにはペライチ、Wix、STUDIOがあり、それぞれテンプレートの豊富さや直感的な操作性が特徴です。しかし、カスタマイズ性やセキュリティ面での制約もあります。これらのデメリットは、Drupalをホスティングサービスで運用することで解決され、プラットフォーム依存のリスクも軽減されます。
Drupal 初心者講座バックナンバー
- Drupal 9/10 初心者講座
- 第 1 回 歴史に見る Drupal の DNA
- 第 2 回 Drupal はフレームワークか?CMS か?他の CMS との比較
- 第 3 回 Drupal の特徴
- 第 4 回 Drupal 9 / 10 のインストール (1)
- 第 5 回 Drupal 9 / 10 のインストール (2)
- 第 6 回 Drupal にコンテンツを投稿してみる
- 第 7 回 Drupal のボキャブラリとタクソノミーの使い方
- 第 8 回 コンテンツ管理における Drupal と他の CMS との比較
- 第 9 回 Drupal のブロックシステム
- 第 10 回 Drupal の標準クエリビルダー Views の使い方
- 第 11 回 Drupal と他の CMS のクエリビルダー機能を比較
- 第 12 回 Drupal の多言語機能と他の CMS やサービスとの比較
- 第 13 回 Drupal の権限設定と WordPress や Movable Type との比較
- 第 14 回 Drupal のテーマシステムについて
- 第 15 回 Drupal の拡張モジュールの選定と使い方
- 第 16 回 Drupal をもっと知りたい方に向けた各種情報