5月7日、8日の二日間、フィリピンのマニラにてDrupalcamp Manila 2016が開催されました。
ANNAIはスポンサーとして参加させていただきました。
会場はマニラ首都圏にあるケソンシティにあるヒューレットパッカード社のビルでした。
フィリピン国内だけではなく、コスタリカ、カナダ、シンガポール、インド、ベトナム、インドネシア、
日本など各国のDrupal開発者200人以上が参加しました。
最初にコスタリカを拠点としてDrupalによる開発やコミュニティ活動を精力的に行っている、Anexus社のCTO、Eduardo Garciaさんより「Investing in community is a good business」(コミュニティ活動への投資は良いビジネスである)と題しまして基調講演が行われました。
最初は数人で始まったDrupalのコスタリカコミュニティが地道に活動を続けることで、数百人規模のDrupalcampを開催することになった経緯や、コミュニティ活動への貢献とはビジネス上でも有用であるなど、日本で日々コミュニティ活動を行っている私たちには非常に共感できる講演でした。
その後は3部屋に分かれて、各テーマ毎に発表が行われました。
先ほど基調講演を行ったEduardo Garcia(Enzo)さんは
「Drupal 8 development effective and efficient with Drupal Console」
(Drupalコンソールを利用した効率的で効果的なDrupal8開発)というテーマで講演をされました。
DrupalにはDrushというコマンドライン操作ツールが以前からありましたが、Enzoさんはそれに代わるツールとしてDrupal Consoleの開発を行っています。Drupal Consoleの開発者という立場から、Drupal Consoleの使い方やそれによって得られるメリットなどを分かりやすく説明してくださいました。
シンガポールで開発を行っているJoseph Chinさんは
「Creating Your Own Custom Step Definition in Behat」というテーマで講演をされました。
フィリピンのセキュリティ会社、Pandora Security LabsのCEOであるIsaac Sabasさんは実際にセキュリティアップデートを適応していないDrupalのテストサイトを用いて実際にどのようにSQLインジェクションが行われるのかを実演しました。また、自社のサービスによるSQLインジェクションの検知なども興味深い内容でした。
ベトナムで開発を行っているFFWagency.comのTom TranさんはDrupal7で開発を行っているサービス、DRAGNFLYの実演や技術的な説明を行いました。DRAGNFLYはjimdoやDrupal gardenの様なサービスに近く、HTMLやCSSなどの知識がなくてもドラッグアンドドロップでサイトを作る事ができるサービスです。実際にどのような技術やモジュールがバックエンドで使われているのかを実際に見る事が出来てとても参考になりました。
1日目終了後にはお楽しみの交流会です。会場近くのレストランでビール片手に楽しく語らいました。他の国のコミュニティ活動の現状や他の国の方々から見た、日本コミュニティの状況など今後のコミュニティ運営を行う上で参考になる情報交換ができました。
二日目は以下の3テーマに分かれてワークショップ形式で行われました。
Drupal 8 Basic
Module Development
Drupal Code Sprint
初心者向けのDrupal 8 BasicではDrupal8の操作方法を中心にDrupal8を初めて触れる人にも分かりやすい内容でした。中級者向けのModule Developmentでは、カスタムモジュールの作成方法を一から解説していました。
今回のDrupal camp Manila2016では周辺の国々の方も多く参加されているのが印象的でした。
また、2年前にDrupalエンジニアを養成するためにDrupal Pilipinas teamが実施した、
Drupal Apprentice Programの受講者が数名、今回のDrupal campに参加されていたそうです。
コミュニティが主体となって、Drupalエンジニアの育成を行っている姿勢は、私たち日本コミュニティとしても見習うべきところだと思いました。今後もANNAIでは積極的に各国のDrupalコミュニティと交流を図りながらより良いDrupalコミュニティ作りに貢献していきたいと思います。