投稿日:2018年1月2日(Ganesh)
あなたはこれまで数多くのブログで、Drupalが最良のコンテンツ管理システムであることを目にしてきたことでしょう。 長期的展望、素晴らしいモジュールの数々、柔軟性とカスタマイズ性、そして忘れてはならないのがオープンソースプラットフォームの改善に向け取り組んでいる忠実なコミュニティの存在、Drupalはこれらの観点からみても極めて優れたCMSです。
この柔軟で安定した信頼のおけるCMSプラットフォームは、SEOの観点からも優れたコンテンツ管理システムとして知られており、その最新バージョンは群を抜いて優れています。
では、DrupalのウェブサイトにSEOは必要でしょうか?
もちろんイエスです!SEOは、組織や企業の成功のための最も影響力のある要素の1つです。 世界中の人々があなたの製品やサービスを検索する時、あなたはそれらをできるだけ検索エンジンのランキング上位に表示されるようにしたいでしょう。結果的に、それはあなたのウェブサイトにより多くのアクセス数をもたらします。理想的なSEOとは、サイト訪問者と検索エンジンのクローラの両方があなたのウェブサイトを見つけやすくすることです。 よってあなたのSEO戦略は、Drupalサイトが構築されるよりもずっと前にスタートします。
基礎を築く
Drupal 8では、必要なSEOベストプラクティスのほとんどがすでにプラットフォームの主要部に組み込まれており、SEOの知識といくつか必須の設定を知っていれば、誰でもウェブサイトを起ち上げてアクセス数を増やすことができます。しかしながら、Drupal 8のツールやその他の設定に踏み込む前にちょっと座って、あなたのウェブサイトを成功に導くために必要な基本原則について考えてみてください。
ウェブサイトの目指すゴールと訪問者の興味関心を念頭に置き、一旦落ち着いてSEO対策を実装前に適切な戦略を立ててみましょう。ブランド・アイデンティティからキーワード戦略、コンテンツマーケティングプラン、およびターゲットユーザーとのより良い関係を築くためのビジターエンゲージメント戦略まで、あらゆる要素を考慮します。
SEO対策に役立つモジュール
Drupal 8の最も優れている点は、難しい設定など一切なしで、すぐに "SEO ready"になるということです。 まずは、あなたのDrupalサイトでSEOを強化するのに役立つ、重要なモジュールについて説明しましょう。
SEO checklist
このモジュールはDrupal SEOに直接影響を与えたりSERPを強化したりするものではなく、サイト上で行われる変更についての重要な情報を提供します。サイト全体で適切に検索エンジンに対する最適化がなされているかをチェックし、パフォーマンスを向上させるために何が必要かに関する詳細なレポートを提供します。
このモジュールはタスクを細分化し、どの施策がどのように実行されたか、どれが完了し、どれがまだ完了していないか。さらに何に注意を払う必要があるのかを追跡します。
Pathauto
PathautoはDrupal SEOにおいて最も重要かつ便利なモジュールの一つです。ウェブサイトでSEOフレンドリーなURLを生成するの重要な役割を果たします。
例えば通常の "example.com/node/1" を"example.com/page/keyword"のようにSEOに適したURLへ置き換えることができます。ウェブサイトのページカテゴリまたはページタイトルに基づいたURLをPathautoで設定することでサイト訪問者が理解しやすいURLを生成する事が可能になり、SEO対策として有効です。
Google Analytics
最近の投稿では、DrupalサイトにGoogle Analyticsモジュールを追加する方法と、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるためのカスタムレポートを作成する方法について説明しました。このモジュールはSEOに直接影響を与えることも、SERPを改善することもありません。しかし、SEOを成功へ導くために必要な情報を提供するのにとても大きな役割を果たします。ウェブサイト内での訪問者の挙動や興味を追跡することによって、さらにアクセス数とコンバージョンを増やすための戦略を考えることができます。
Global Redirect
Googleはウェブページ上にあるスパムのような重複したコンテンツを好みません。そのような重複コンテンツはあなたのSEO対策に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、検索サイト上の掲載順位を下げてしまう恐れがあります。 Drupalでエイリアスシステムを使用してクリアなURLを作成する事はとても便利な反面、そこには小さな問題が発生していることにも注意してください。新しいURLを作成してもデフォルトのURLはまだ存在し、検索エンジンはそれを良いサインとは見なしません。
Global Redirectモジュールは、URLのエイリアスの存在を確認し、それにリダイレクトすることで、この問題の解決に役立ちます。 このモジュールは、URLの実装と許可、あるいはノードとURLに必要なアクセス権をチェックする役割も果たします。
SEO Compliance Checker
SEO初心者やウェブマスターにとって非常に役立つモジュールであるSEO Compliance Checkerは、Drupalサイトでノードが作成または変更された際に完全なチェックを実行します。 実行にはタイトルとメタタグが最適化されているかどうか、未入力の
core module - seo_checkerは前述のチェックのいずれも実行しませんが、付属のサブモジュール(basic_seo_rules.moduleおよびkeyword_rules.module)がこれらの基本的なSEOルールをチェックを実行します。 一方のコアモジュールは、実行されるチェックに関する必要情報を集め、それらを適用して最終結果をまとめます。
これらのモジュールに加えて、ページタイトルを設定することができるPage Titleモジュール、あなたのDrupalサイト上のメタタグを完全にコントロールするMeta tagモジュール、さらに検索エンジンが解釈しやすい動的サイトマップを作成するためのXML Sitemapモジュールなどがあります。
追加ヒント
ちょっとあなたにお知らせしたいのは、このブログ記事を読むのにかかった時間内に、
- 100万を超えるGoogle検索が行われました。
- 20,000近くのFacebookの記事が投されました。
- インターネット上で1,000以上のブログ記事が投稿されました。
インターネットがこれまで以上に騒々しい状況である事は言うまでもありませんが、それはすぐに止むものでもないようです。初期のSEOにおいてはサイト上にキーワードを詰め込んで、クローラにこれらのワードを認識させることがすべてでした。しかし、時間が経つにつれSEOはGoogleがブラックハットSEOに歯止めをかける改訂をした事と、いくつかの素晴らしいアルゴリズムを取り入れた事で開花しました。
現時点でSEOを成功させるためには、あなたが訪問者について研究する事、ウェブサイト上での彼らの挙動や興味を調べ、時流の先端に留まれる様コンテンツをカテゴリやテーマで分類整理し、読みやすく編集する事が必要です。あなたはウェブサイトのコンバージョンに問題を引き起こす可能性があるコンテンツギャップの渦中にいたくはないはずです。 この学びにおいて、あなたはDrupalサイト用に新鮮なコンテンツを開発し、それを検索エンジンでの検索用に最適化する機会を手にしました。
Drupalでは、適切なSEOモジュールを使用することで、ウェブサイトを検索サイト上のランキングのトップへ導き、成功への道を開くことが可能です。しかし誰もが、Googleのアルゴリズムがどのように機能するのか、そして次にいつ彼らがDrupalサイトに影響を与える可能性のある変更を行うのかを知っているとは限りません。ですので基本に忠実に、重複したコンテンツやキーワードの詰め込みを避け、人に易しいURLを使い、訪問者が大いに役立つと思うような方法でウェブサイトを開発してください。そして慎重にあなたのDrupal戦略を立て、常にベストなDrupal SEOモジュールを使用するよう心に留めておいてください。
Drupal 初心者講座バックナンバー
- Drupal 9/10 初心者講座
- 第 1 回 歴史に見る Drupal の DNA
- 第 2 回 Drupal はフレームワークか?CMS か?他の CMS との比較
- 第 3 回 Drupal の特徴
- 第 4 回 Drupal 9 / 10 のインストール (1)
- 第 5 回 Drupal 9 / 10 のインストール (2)
- 第 6 回 Drupal にコンテンツを投稿してみる
- 第 7 回 Drupal のボキャブラリとタクソノミーの使い方
- 第 8 回 コンテンツ管理における Drupal と他の CMS との比較
- 第 9 回 Drupal のブロックシステム
- 第 10 回 Drupal の標準クエリビルダー Views の使い方
- 第 11 回 Drupal と他の CMS のクエリビルダー機能を比較
- 第 12 回 Drupal の多言語機能と他の CMS やサービスとの比較
- 第 13 回 Drupal の権限設定と WordPress や Movable Type との比較
- 第 14 回 Drupal のテーマシステムについて
- 第 15 回 Drupal の拡張モジュールの選定と使い方
- 第 16 回 Drupal をもっと知りたい方に向けた各種情報