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コミュニティと Drupal Association
この連載の第1回では、Drupal が個人の趣味プロジェクトから始まり、その後、多くの人たちの力によって発展してきたことを書きました。ただし、技術的な筋の良さと、それを感じ取った優秀な人たちが多く集まってきたという、ただそれだけで今日に至るめざましい発展が遂げられたのかというと、おそらくそうではないでしょう。
Drupal の創始者である Dries Buytaert 氏が 2006 年に記したブログ記事「Drupal road trip to San Francisco」を読むと、急速に拡大する利用者への責任を果たすために何をすべきか、FOSS (Free Open Source Software) 界の著名人を訪れて意見を求めていたことがわかります。
![サンフランシスコ](/sites/default/files/inline-images/image1.png)
サンフランシスコ
その結果、ホスティングのインフラ、マーケティング/プロモーション、イベント企画といったコミュニティ周辺の課題に一元的に対処できる体制が必要、という認識に至ります。ここから、Drupal VZW、DrupalCon, Inc. といった組織を経て、2011年、世界の Drupal コミュニティを支援する法的機関として誕生した組織が Drupal Association です。現在、DrupalCon (最大の Drupal 国際イベント) の運営のほか、drupal.org(公式コミュニティサイト)の運用、世界各地の Drupal コミュニティの成長を手助けする活動、Drupal 開発者向けの無償トレーニングイベントの提供など、その使命を果たすべく精力的な活動を続けています。
自由に使える OSS であるからこそ、こうした法的に認められた権威あるコミュニティ組織の存在は重要です。特定の個人や企業がプロジェクトの精神から逸脱した行為に及べば、当然、Drupal Assciation からの支援やサポートの対象からは外されるでしょう。正規の権威から徹底的に無視されるというペナルティは、それを避けようという動機付けになります。これは、Drupal に関わるすべの個人や組織が適切に価値を共有しあい、貢献しながら、共に発展していくための統治システムと見ることもできます。このシステムを成長の初期段階から戦略的に構築してきたことも「最も成功した OSS プロジェクト」と評される Drupal の重要な特質だと思います。
こうした環境に支えられ、世界各地で Drupal のコミュニティが活発に営まれています。Drupal コミュニティの包括的な情報は、公式サイトの Community ページからたどることができます。日本国内でも、2008 年頃からコミュニティの活動が始まりました。当時は東京や京都で開催される Meetup やオープンソースイベントへの出展参加などが中心でしたが、その後少しずつ他の地域での認知も広がり、現在では全国各地で Meetup などの活動が行われています。以下、ピックアップしてご紹介します。
各地の Meetup |
北海道、新潟、東京、名古屋、大阪、兵庫、沖縄で開催。詳細な履歴や今後の予定は Japan Drupal Meetup で確認できる。 |
2017年12月 北海道定山渓温泉で第3回目の温泉合宿を開催 |
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2017年1月 東京で第2回目の Drupal Camp(開発者イベント)を開催 |
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2016年12月 北海道登別温泉で第2回目の温泉合宿を開催 |
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Drupal Cafe |
2016年3月 Drupal Console 開発者のエンゾ・グラシアさんを招いて Meetup |
Drupal 8 Release Party |
2015年11月 Drupal 8 のリリース記念パーティ |
2015年11月 北海道小樽で第1回目の温泉合宿を開催 |
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Dries Party |
2014年9月 来日の Dries Buytaert さんを囲む Meetup |
2014年4月 京都で第1回の Drupal Camp を開催 |
この他にも国内各地で Meetup やトレーニングイベントが開催されています。Drupal Japan ユーザーグループのページにもイベント情報が掲載されているので、Drupal 関連のイベントを探すときは、こちらも参考にしてみてください。
お役立ち情報
今後さらに Drupal の理解を深めていきたいという方や、国内のコミュニティで交わされている情報を知りたいという方に向けて、重要な情報源を厳選してご紹介します。
日本語サイト
サイト名 |
説明 |
Drupal.org内にある日本語翻訳チームページ。日本語化の手順や翻訳プロジェクトに関する情報を掲載。 |
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Drupa.org内にある日本ユーザーグループ。Drupalに関する質問やディスカッションが盛んに行われている。 |
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日本コミュニティのFacebookグループ。Drupal情報や、Drupalイベントに関する情報共有が行われています。 |
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Drupal Associationが英語で公開している開発者向けドキュメントをNTTデータ先端技術株式会社が日本語に翻訳して公開。 |
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国内で開催されるDrupalMeetupの情報を掲載。 |
英語サイト
サイト名 |
説明 |
Drupal公式サイト。Drupal本体やモジュール、テーマのダウンロード、各種資料、コミュニティのフォーラム |
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Drupal創始者Dries Buytaertのブログ。Drupalに関わる最新動向など、良質な記事が多数。 |
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Drupal.orgのセキュリティアドバイザリーページ。Drupalセキュリティーチームによってアナウンスされたセキュリティ情報を掲載。 |
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セキュリティーアドバイザリーや関連情報をツイート。 |
書籍
一冊の本としてまとまった情報はやはり便利です。この連載でも繰り返し紹介してきた ThinkIT の連載『初心者でも挫折しないゼロから始めるDrupal 8入門』は書籍化されていますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。Web で公開されている内容をベースにさらにパワーアップした実習書になっています。
- 著者 : ANNAI株式会社
- 定価 : 本体3000円+税
- 初版発行 : 2017年1月20日(金)
- 出版社 : インプレス
Amazon販売ページ
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4295000582/
目次
- 第1章 Drupal 8の基礎知識とインストール
- 第2章 コンテンツの定義とカテゴリーの作成
- 第3章 コンテンツ一覧ページの作成
- 第4章 ブロックレイアウトとコンタクトフォームの作成
- 第5章 コンテンツの翻訳と多言語設定
- 第6章 モジュールのインストール、ユーザー作成と権限の設定
- 付録A 各種情報ソースとコミュニティ活動
- 付録B Twigテンプレートに関する基礎知識
- 付録C Twigテンプレートの命名規則
- 付録D Drupal 8.xマイナーバージョンアップの追加機能
- 付録E 主要モジュール一覧
![drupal start book](/sites/default/files/inline-images/510wn7RFa0L._SX390_BO1%2C204%2C203%2C200_.jpg)
まとめ
連載の締めくくりとして、Drupal コミュニティとそれを支える Drupal Association、そして Drupal をさらに探求していただくための厳選お役立ちリンクを紹介しました。今後の学習や実践に役立てていただければと思います。本連載は今回で最後となります。長らくおつきあいいただき、ありがとうございました。
弊社では、本連載で紹介した入門的な情報に加え、さらに踏み込んだ技術情報やトレーニングの素材なども提供していきます。どうぞご期待ください。
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第2回 Drupalはフレームワークか?CMSか?他のCMSとの比較
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