より良い政府ポータルを構築する:デンマーク政府からの教訓

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この記事は「 Building a Better Government Portal: Lessons from Denmark 」の翻訳です。
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マーティン・クリステンセンはFFWデンマークのCOOであり、コペンハーゲン市のHead Drupal Platform Architectでもあります。彼はキャリアの多くをデンマーク政府のウェブサイトのデジタル化に費やして来ました。このブログはベルリンで行われた、公的機関のデジタル化に関する会議にてマーティン氏が行ったプレゼンテーションにインスパイアされ書いたものです。

2015年のとあるEUアンケート調査によると、デンマークはEUの中で最もデジタル化が進んだ国です。デンマークの市民として、政府機能をオンライン化する為に広範囲に渡って貢献した事はもちろん誇りです。政府サイトのデジタル化は納税者にとって良い投資で人々が政府との交流もしやすくなり費用対効果も高くなります。

デジタル政府の核となる部分は、市民の役に立つことです。ただ情報を提供するだけでなく一般市民のニーズに応じてサービスを提供することです。良い政府ポータルは医者や歯医者を探せるし、引っ越しの重要な書類を記入できるし、市民が簡単に政府と連絡を取る事もできるはずです。市民にオンラインでセルフサービスを行えるようになる利点は財政的に大きいです。

*デンマークで一つの取引あたりのコスト平均

  • 対人 €10,30
  • 郵便 €9,87
  • 電話 €6,48
  • Eメール €8,92
  • 簡易セルフサービス  €9,66 
  • 高度セルフサービス €4,35-2,23 
  • 価格は固定費と変動費に基づいた計算です。

数字を見ると、デジタル化は公的部門において効果的で安価なサービスを提供する上で非常に重要な役割がある、ということが明らかです。

1. ユーザージャーニーを理解する

私たちのFFWでの研究では、公的部門はウェブサイトの価値を誤解する事がしばしばあると分かりました。EU(および他の地域)では、政府機関はしばしば、公的機関はイニシアチブや公約に関するものすごい量の情報に対応する必要があると信じている事も分かりました。しかし、政府機関のサイト分析を詳しく見るとほとんどのトラフィックはセルフサービスの提供に集中しています。
この様な誤解は意外ではありません。これらのサイトは政治的に所有されていて、政治家も選挙時の約束を果たしている証明や、取り組んでいるイニチアチブの実証をしたがります。だからこそこれらのサイトのユーザージャーニーを定義するには、政治の世界に基づくより分析数を見てから結論に導く事が大事です。最も素晴らしい政府ウェブサイトは、政治ではなく明確なセルフサービスに焦点を当てている事が分かりました。    なぜなら大半の使用者は直接に地方庁舎へ行くより政府ポータルでセルフサービスの方が好むからです。

2. 迅速なプロトタイプイング

入札または提案依頼を終えた後、政府のクライアントと打ち合わせをする事がよくあります。この時点でクライアントはサイトに欲しいアイテムの長いリストや主な懸案事項などを作成し、時にはデザインのアイデアも既に持っています。
だからカスタマージャーニーに関するデーターを入手し、サイトのプロトタイプを迅速に提供する事が非常に大事なのです。数多くの政府機関はただお金を払い指定した通りに大規模なサイトを作ってもらうだけで、要望通りに作れらたかテストして確認したりはしません。アジャイルプロセスに沿ってサイトを作ると、クライアントはテストを実施してそれらが正しいかどうかを確認できます。そうすることで、そもそも解決しようとしている問題に対応できないソリューションに価値ある時間を費やしてしまうことを防ぐことにつながり、素早いプロトタイプは内部利害関係者にプロジェクトの進展を知らせる事にも役立ちます。

3. 深い技術的知識を持つベンダーを選ぶ

政府のクライアントはすでに巨大なデジタルインフラを持っているのは分かっています。ディレクトリや書類管理システム、会議システムとツール、等々を持っているでしょう。これら公共システムにはホームとハブが必要で、素晴らしいデジタルエージェンシーは、政府に取っても市民にとっても便利なポータルに統合する能力を持っています。
私たちがFFWで持っているノウハウを一部を適用すると、政府系クライアントに正しいインフラを築き、組織として資源を意味のある使い方にする支援もできます。統合とは、異なるシステムが互い会話する方法を理解するだけでなく、オンライン取引をより簡単にしエンドユーザーに価値をもたらす事も意味します。

4. アクセシビリティー準拠であること

多くの政府はアクセス可能なウェブサイトを提供することについて厳重なルールがあります。デンマークではコードの書き方を管理するWCAG AAAルールに遵守しスクリーンリーダ―や視覚障碍者などに最適化したサイトを作成しないといけません。ここ数年私たちは十分にデンマークの地方自治体のサイトに取り組み、ルールのエキスパートになりました。そして多くの代理店は見逃している物だと分かりました。可読性を優先するデザインを選択し、すべての画像がスクリーンリーダーに適応するのを確認するまで、基準に準拠した政府ポータルになるのはデザインと実装など、あらゆる段階で法律の認識を持つのが最善の方法だと思います。

結論

最終的に、公共部門のサイトを立ち上げるのは政治を支える事やコミュニケーションの為ではなく、市民にリアルで価値のあるサービスを提供する為です。あなたの組織と市民のニーズに応える為に最善の方法は、上記のアドバイスに従うべき:ユーザーの調査を行い、プロトタイプをテストし、基礎インフラを統合し、アクセシビリティーの課題を認識する事です。政府ウェブサイトの最終目標はただ完成したプラットフォームを持つことではなく、可能な限り幅広いユーザーに役立つ事でしょう。

 
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