アクイアのサービスの中核を担う Cloud Platform とは

Acquia Cloud Platform Logo
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ここではアクイアが創業当初から提供をしている、Drupal サイト専用ホスティングを軸に展開するサービスである「Cloud Platform」の概要を説明します。

第一回でご説明したとおり、Drupal はアクイアのサービスの非常に重要な要素です。 柔軟で信頼性が高くスケーラブルなプラットフォームである Cloud Platform を利用することで、顧客のオンラインエクスペリエンスと密接に関係する Drupal アプリケーションを高い信頼性で提供し、また変化への迅速な対応が可能になります。


Cloud Platform とは

Cloud Platform はアクイアの提供する、Drupal アプリケーションの運用に最適化された高信頼性・高可用性の PaaS です。アクイアは Drupal 専用ホスティングサービスを創業当初から提供していますが、第一回で触れたように、クライアントやマーケットのニーズに合わせて、アクイアの PaaS は高い安定性を誇りながらも常に進化し続けてきました。この記事の最後に紹介している Acquia Cloud Next は、アクイアがより良いサービスの提供のために新しい技術を積極的に導入していることを示す良い例ではないかと思います。

Acquia Cloud Platform architeccture

高可用性を実現する Cloud Platform のアーキテクチャー(ドキュメンテーションより抜粋:https://docs.acquia.com/cloud-platform/arch/

コンプライアンスとセキュリティー

アクイアの Cloud Platform は、以下を含む厳格なグローバルスタンダードに準拠して構築されています:

  • アメリカ政府向けクラウドサービスに必須の FedRAMP
  • アメリカにおける患者の個人情報の保護を約束する HIPAA
  • ヨーロッパ連合の厳格な個人情報の収集や管理(GDPR)に対するアメリカの準拠を促す Privacy Shield
  • サービス提供者によるクライアントの資産報告書
  • 業務受託者の内部統制の有効性や、セキュリティーや可用性をはじめとするシステム管理に係る保証である SOC1 および SOC2

既存のシステムのさらなる活用

アクイアの Cloud Platform が提供するツール、テンプレートやアーキテクチャーを用いることにより、既存の Drupal アプリケーションをさらに活用することが可能になります。そのため技術者はビジネスにとって有益な開発に専念することができます。

オープンソースプラットフォーム

Cloud Platform は適切な設定が施された現代的なオープンソースプラットフォームを提供します。Drupal, Node.js, Apache Nginx, Linux を始めとする様々なオープンソーステクノロジーが Cloud Platform を構成しており、開発者はアプリケーションの開発に専念することができます。

  • Drupal 向けに最適化され、また広く採用されている JavaScript フレームワークの利用が可能
  • ウェブサイト、モバイルアプリ、チャットボットほか複数のチャンネルを利用してデジタルコンテンツの提供を可能にするデザイン
  • オープンアーキテクチャーによる、メール・CRM・E コマースをはじめとする既存のマーケティングツールとの統合のサポートによる既存システムの最大限の利用

デベロッパーツールと開発環境の提供

ビジターやユーザーの利用するデバイスや、それらに向けたフォーマットの多様化が急速に進んでいます。既存のサービスを安定して運用しながら変化に対応するためには、迅速に開発・テスト・デプロイメントを行う必要があります。アクイアはこのようなニーズを満たすための開発環境やツールを提供しています:

  • 開発のベストプラクティスの実践を促すツール(BLT
  • オンデマンドでの開発環境の立ち上げも可能な統合開発ツール(Cloud IDE
  • デフォルトでの開発・ステージング・本番環境の提供
  • 継続的インテグレーション/継続的デリバリー(Cloud Platform CD
  • ほぼ無設定で利用可能なリアルタイム・モニタリングツールやトラブルシューティングツール(LoggingAPM)
  • サイトのセキュリティやパフォーマンスの向上のための Drupal ベストプラクティスの実践を容易にするツールを標準装備(Acquia Insight

また、Node.js ベースの多様なフレームワークが利用可能なため、フロントエンドとバックエンドのデカップリング(ヘッドレス)による柔軟なアプリケーションの構築も可能です。

Acquia Cloud Platform GUI

Cloud Platform の操作画面。GUI から環境ごとの状態や操作を行ったり、アクセス権限の設定なども可能。もちろん API からも同様の操作が可能。(ドキュメンテーションより抜粋:https://docs.acquia.com/cloud-platform/manage/applications/

Acquia Cloud Next:サーバーレスアーキテクチャー

2021 年 2 月現在ではクローズドベータの状態で、あまり一般には知られていませんが、アクイアはサーバーレスアーキテクチャーの導入を進めており、年内の提供開始を予定しています:https://docs.acquia.com/cloud-platform/cloud-next-beta/

現在の Cloud Platform のアーキテクチャーは VM を用いた古典的なものですが、サーバーレスアーキテクチャーの導入により、高負荷時のパフォーマンス、スケーラビリティーやレジリエンスがさらに高まるとされています。

現状はクローズドベータのためプロダクション環境として利用できず、また Platform Cloud で利用可能な機能でも Acquia Cloud Next ではいまのところ利用できないものもあります。また、運用できる Drupal のバージョンも現時点では 8 のみです。ただし大規模サイトの運用のために Cloud Platform を利用する企業は多く存在するため、機能の拡充は順次行われていくと思われます。

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複数のサイトの迅速な立ち上げや管理・運用を可能にする アクイア Site Factory の実力

参考文献

Cloud Platform プロダクトページ:https://www.acquia.com/products/drupal-cloud/cloud-platform

Cloud Platform データシート:https://www.acquia.com/node/19296/asset 

Cloud Platform ドキュメンテーション:https://docs.acquia.com/cloud-platform/

 

 
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