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サイトビルダーの方々には、新しいデモサイトをご覧いただく事で何ができるようになったかご理解いただけると思います。加えて、改良された動画埋め込み機能、新しいメディアライブラリ、承認ワークフロー機能を強化するワークスペース機能の実装、劇的なレイアウト機能の改善、などマーケティングチームの方々が、複雑なコンテンツを簡単に公開する上で役立つ、コンテンツ編集機能に関する様々な改良が盛り込まれています。これらの機能面における大幅なアップデート以外にも、かなりの数の修正や改良が実施されました。

Drupal AssociationのエグゼクティブディレクターであるMegan Sanicki氏は、「Drupal 8.6は使いやすさを重視した、大幅なアップグレードです。 今回のアップグレードはユーザーエクスペリエンスを向上させ、旧バージョンからの移行やインストールの容易化を実現しました。また、マーケティングチームが情報をより低コストで迅速に配信することを可能にします。Drupalコミュニティはユーザーを輝かせる機能の提供に注力しています。私は今回のリリースと、Drupalの今後の展開について非常に興奮しています。」と述べています。

Drupal 8.6.0の新機能とは?

旧バージョンからの移行が大幅に改善

Drupal 8.6.0の大きな特長としては、旧バージョンからの移行サポートが大幅に改善されました。これにより、Drupal 6および7からDrupal 8への移行が容易になります。このリリースでは、古いバージョンのサイトを移行するための、Migrate Drupalモジュール(以前の主要なDrupalバージョンからの移行を可能にするモジュール)とMigrate Drupal UIモジュール(ユーザーインターフェイスのアップグレードのためのモジュール)を提供します。 つまり、単一言語(多言語サイトでない)Drupal 6または7サイトを使用している場合には、サポートされた組み込みのユーザーインターフェイスを使用して、Drupal 8に移行することが可能になりました。多言語サイトの移行についてはまだ実験段階にあり、Migrate Drupal Multilingualモジュールで提供されています。

メディアの埋め込み機能の改善

また、このバージョンで実装された新機能としては、外部メディアの埋め込み機能が安定版として組み込まれた点が挙げられます。これらはYouTubeとVimeo向けに設定済みです。また、新しく追加された実験モジュールの提供するの機能として、サイト内に存在するメディアのブラウジングやウィジェットを利用しての新規メディアの追加が可能となっています。メディアライブラリはユーザーのニーズに応じてカスタマイズすることも可能です。

レイアウト機能の改善

Drupal 8.6.0ではレイアウト機能が大幅に改善されました。 Layout Builderモジュール(実験モジュール)は、ディスプレイモード毎のカスタマイズ(例:フルモードと検索結果)に対応しています。これはサイトビルダーにとって魅力的な進歩です。 これまでのように複数のフィールドが上から順番に縦一列に配置されているのではなく、動的なセクションを持つレイアウトを作成することで、ユーザーが自由にレイアウトを変更することができます。また、 特定のレイアウトに固有のコンテンツを追加することも可能になりました。この機能は単一のランディングページ内においてのみ表示される、プロモーションのような用途に便利です。

デモ用プロファイルUmamiの追加

Drupal 8.6.0ではインストーラ内に新しいデモ用プロファイルとテーマが用意されています。これは、CMSの導入に際し評価や選定を行う方々や開発会社にとって、Drupal8で実現可能なことを確認する際に非常に役立ちます。

Drupalのデータ構造、一覧表示機能、ページ構成、コンテンツの承認ワークフローをお試しいただく上で、架空の料理情報デモサイトUmamiは最適です。Drupalでのコンテンツ管理インタフェースをさまざまな側面から体験して頂けるようにサンプルとして、著者(author)とmagazine editor(マガジン編集者)の2種類のロールのユーザーが作成されています。

Palantir.netのCEO Tiffany Farrissは次のように述べています。「Drupalは強力な機能を持ち続けて、 あまりにも長い間、既存のユーザーや技術者のみがそれらを体験できる状態で、それらは表には出てきませんでした。 今、Drupalの長所と能力をUmamiを通して技術者とマーケティングユーザーの両方に簡単にお伝えできることに興奮しています。」

ワークスペース機能による一括レビュー機能の実装(実験モジュール)

Drupal 8.6.0では、大量のコンテンツをレビューする際に非常に役立つ新しいモジュール、workspacesモジュール(実験モジュール)を提供しています。 既存のコンテンツモデレーション機能は1つ1つのコンテンツを編集から承認までワークフローを得て公開するのに最適です。 今回新規に追加されたWorkspacesモジュールを使用することで、複数のワークスペースを定義し、1まとまりのコンテンツを一括でレビューすることが可能になります。これにより、直感的なユーザーインターフェイスでコンテンツの変更や公開を行うことができるようになりました。

インストールの簡易化

Drupalコミュニティは、すぐにDrupalを試したい方や、開発環境を立ち上げたい方が利用しやすいように最大限に努力しました。多数の技術的改良により、ブラウザを開くとすぐにセットアップが可能な状態になります。インストーラは既存の設定を認識し、既存の設定から簡単にサイトを再構築するのに必要な選択肢を提供します。また、コンテンツをローカルに保存するのではなく、クラウドからコンテンツを取得します。

Sanicki氏は「今回のアップデートでは、Drupalが野心的なデジタルエクスペリエンスのためのプラットフォームとなることを示す、斬新でエキサイティングな機能が満載です。 Drupal AssociationとDrupalコミュニティを代表して、Drupal 8.6.0に貢献した皆様に感謝したいと思います。」と述べています。

 
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この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

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