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ロリポップ!レンタルサーバー
この記事の目次

はじめに

人気のスタンダードプランの試用アカウントでDrupal 8をインストールしてみました。快適に動作することを確認しましたので、以下手順をご紹介します。

準備

サーバーの申し込み

ロリポップ!レンタルサーバーでは、エコノミー、ライト、スタンダード、エンタープライズという4つの利用プランが用意されています。今回は標準的なプランで「プラン選択にお悩みの方にもオススメ」というスタンダードプランを申し込みました。基本料金は月額500円、10日間の試用期間が設定されています。各プランの詳細と料金はWebで確認できます。
https://lolipop.jp/pricing/

オンラインの申し込みフォームからアカウント名とパスワード、メールアドレスを指定し、氏名や住所などの情報を入力して送信するとサーバーアカウントが即時発行されます。今回はd8testというアカウント名で申し込み、d8test.gonna.jpという初期ドメインが割り当てられました。

ロリポップ!レンタルサーバーの申し込みフォーム

SSH接続の設定

ロリポップ!レンタルサーバーはSSH接続に対応しています。ファイルのアップロードにはFTPのほか、ロリポップ!FTPという管理画面の機能も利用できますが、ターミナルから接続して作業するのが最も効率的なので、今回はSSHでサーバーにログインしてインストールすることにします。

ロリポップのSSH設定画面

SSHを使用するには、サーバー管理画面からSSHを有効にする必要があります。有効にすると、SSH接続用のパスワードが発行され、接続先サーバー、アカウント名、接続ポートとともに表示されるので、この情報を使用してSSHでサーバーにログインできます。具体的な手順はオンラインのマニュアルで確認できます。
https://lolipop.jp/manual/user/ssh/

なお、マニュアルには公開鍵認証の説明がありませんが、~/.ssh/authorized_keys ファイルに公開鍵を設定することで鍵認証によるログインが可能です。定常的にSSHログインする場合は設定しておくと良いでしょう。

インストール手順

MySQLデータベースの作成

スタンダードプランでは合計30個までMySQLのデータベースを作成することができます。管理画面のデータベース設定ページから、対象サーバー(複数の中から選択できる)とデータベース名、接続パスワードを指定してデータベースを作成します。また、今回は使用しませんがPHPMyAdminも使えるので、作成したデータベースに各種の管理操作を行うこともできます。

ロリポップのデータベース作成画面

作成したデータベースの接続情報は管理画面からいつでも確認できます。Drupalインストール時にこの情報が必要になります。

ロリポップの作成済みデータベース確認画面

データベースのホストがWebサーバーとは別であること、データベース名が、ユーザー番号と指定した名前をハイフンで連結した形式になる点に注意してください。

PHPのバージョン設定

使用するPHPは次の3つの中から選択できます。

  • PHP5.6(CGI版)
  • PHP7.1(CGI版)
  • PHP7.1(モジュール版)

Drupal 8では、PHP7.1以上が推奨されているので、ここではPHP7.1を使用することにします。

OPcacheについて

デフォルトの設定ではPHP OPcodeキャッシュ(OPcache)の設定が無効になっており、そのままDrupal 8をインストールすると冒頭の要件レビューで警告が表示されます。

ロリポップのデフォルト設定で表示される要件レビューの警告

この警告を無視してインストールすることもできますが、管理画面のphp.ini設定でOPcacheを有効にできます。

ロリポップのphp.ini設定でopcacheを有効にする

ただし、このphp.ini設定が有効なのはCGI版だけである点に注意が必要です。このため、今回はPHP7.1のCGI版を使用することにします。PHP設定の詳細はマニュアルで確認できます。
https://lolipop.jp/manual/user/php-setting/

Drupal 8の入手と展開

ロリポップ!レンタルサーバーでは、サーバーアカウントのホームディレクトリにwebというサブディレクトリがあり、これが初期ドメインのサイトルートになります。なお、独自ドメインを設定する場合はディレクトリ名を個別に指定できます。

今回は、webディレクトリ(サイトルート)の下にd8というサブディレクトリを作成してDrupal 8サイトをインストールすることにします。

ターミナルからSSHでサーバーにログインし、webディレクトリに移動します。

$ cd ~/web

Drupalコアのページで最新リリースのダウンロードURLを確認し、curlコマンドでダウンロードして展開します。

$ curl -L https://ftp.drupal.org/files/projects/drupal-8.5.6.tar.gz | tar xz

生成されたディレクトリの名前をd8に変更します。

$ mv drupal-8.5.6 d8

以上でインストールの準備ができました。今回インストールするサイトのURLは次のようになります。

http://d8test.gonna.jp/d8/

インストール

Webブラウザから、Drupal 8を展開したサブディレクトリのURLにアクセスするとインストール画面に転送されます。以降は、画面の指示に従ってインストールを進めます。データベース設定では、高度なオプションの「ホスト」としてデータベースのサーバーを指定することに注意してください。

信頼のおけるホストの設定

sites/default/settings.phpファイルを編集して、信頼の置けるホスト設定に初期ドメインを設定しておきます。

$settings['trusted_host_patterns'] = array(
  '^d8test\.gonna\.jp$',
);

以上でインストールが完了します。

ロリポップ!レンタルサーバーにインストールしたDrupal 8

まとめ

ロリポップ!レンタルサーバーのスタンダードプランでDrupal 8をインストールし、動作を確認しました。デフォルトの設定では、Drupal 8の推奨要件であるOPcacheが無効になっておりインストール時に警告が表示されますが、PHP7.1のCGI版を使用し、php.iniの設定で有効化することで解決します。それ以外は特に問題なく素直にインストールすることができました。ロリポップのサーバーをお使いの方は、手慣れたサーバーでDrupalを試してみてはいかがでしょう。

 
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この記事を書いた人: Kenji Shirane

バージョン 4.6 のころから Drupal のお世話になっています。好きなモジュールは H5PQuiz。北海道小樽市在住。

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