
はじめに
今回はXREAの無料プランにDrupal 8をインストールしてみました。無料プランの条件である広告が挿入されますが、問題なく動作することを確認しました。以下、実際の手順を紹介します。
準備
料金プランについて
XREAには、広告が挿入される代わりに無料で利用できる「XREA Free」、12か月契約で月額191円で利用できる「XML Plus」、メールとバックアップ専用の「Mail & Backup」の各プランがあります。今回は無料のXREA Freeを利用しますが、有料プランには7日間のお試し期間があるので、これを利用して試用・評価を行うこともできるでしょう。
バリュードメインのユーザー登録
XREAを利用するには、まずバリュードメインのユーザー登録(無料)が必要です。バリュードメインのアカウントがない場合は、まず下記URLからユーザー登録を行います。
https://www.value-domain.com/signup_buy/
今回は「d8test」というユーザー名でアカウントを作成しました。フォームを送信すると、「確認パス」とログインURLを記載した登録完了メールが送信されます。URLからログインし、確認パスを入力して登録が完了します。
XREAのアカウント作成
次に、下記URLのページでからXREAのサーバーアカウントを作成します。
https://www.xrea.com/signup/

ここでは、バリュードメインの登録ユーザーと同じ「d8test」という名前にしました。登録フォーム送信後、サーバーの準備ができると通知メールが送信されます。管理画面やFTPサーバーへのログインに必要な情報が記載されているので、大切に保管しておきます。なお、XREAでサーバーアカウントを登録すると、アカウント名と同じ名前の .shop ドメインが無料で付与されます。今回の例では d8test.shop というドメインが付与され、これがデフォルトのサーバードメインとなります。
登録したサーバーアカウントでXREAにログインすると、管理画面が表示されます。ここから、ドメイン設定、Webサイトの設定、データベース操作、メールアカウントの設定などが行えます。
SSH接続の設定
XREAはSSH接続が可能です。ただし、管理画面から接続元のIPアドレスを登録しておく必要があります。具体的には、サイト設定のメニューから「ツール/セキュリティ」の「SSH接続IP許可」という項目に移動し、現在接続中のIPアドレスからのSSH接続を許可します。設定後、5分程度で標準の22番ポートにSSHクライアントから接続できるようになります。

パスワード認証が許可されているので、先の通知メールで送信されたパスワードを入力するとログインできます。なお、公開鍵を登録しておけば鍵認証も可能です。
インストール手順
サーバーアカウントの準備ができたら、いよいよDrupalのインストールに入ります。
サイト設定
管理画面の「サイト設定」から、公開される各サイトの設定を確認/変更することができます。最初の状態で d8test.shop と www.d8test.shop が登録されており、前者は後者にリダイレクトされる設定になっています。今回はメインの www.d8test.shop にDrupal 8をインストールすることにします。ホームディレクトリの public_html ディレクトリが、このサイトのドキュメントルートになります。

なお、PHPのバージョンもここから変更することができます。現状XREAでは、PHP5.3から7.2まで選択肢がありますが、今回はデフォルトのPHP7.0をそのまま使用することにします。
Drupal 8のダウンロードと展開
次に、ドキュメントルート(~/public_html)にDrupalのファイルを展開します。SSHでログインし、次のコマンドを実行して、Drupal 8の最新のアーカイブをダウンロードします。
$ wget https://ftp.drupal.org/files/projects/drupal-8.6.1.tar.gz
.tar.gz ファイルを取得したら、次のコマンドを実行して、public_htmlの下にアーカイブの中身を展開します。
$ tar xzf drupal-8.6.1.tar.gz -C public_html --strip=1
MySQLデータベースの作成
次に、Drupal用のデータベースを用意します。XREAの管理画面で [データベース] - [MySQL] を選択して「MySQL一覧」のページを表示します。

[データベースの新規作成] をクリックしてデータベースの新規作成画面に移動し、接続に使用するパスワードと文字コード(UTF-8)を指定します。なお、XREA Freeプランでは、作成できるデータベースは1つのみで、データベース名と接続ユーザー名が共にアカウント名と同じ名前で固定となります。

これでデータベースが用意できました。
インストール
以上で準備ができました。WebブラウザからサイトのURL(http://www.d8test.shop)に接続すると、インストーラのページが表示されます。

無料プランなので、インストール中も自動的に広告が挿入されます。
データベースの設定では、データベース名とデータベースのユーザー名はアカウント名と同じ固定名(d8test)で、パスワードは先にデータベース作成時に管理画面で設定したものを指定します。なおXREAの場合、データベースはWebと同じサーバー(localhost)で実行されるので、高度なオプションの設定は不要です。

後は、画面の指示に従ってインストールを進めていけば完了します。

インストール完了後、public_htmlの下のsites/default/settings.php を編集して、信頼できるホストの設定を追加しておきます。
$settings['trusted_host_patterns'] = array(
'^www\.d8test\.shop$',
);
インストールしたサイトはこちらからアクセスできます:
http://www.d8test.shop/
まとめ
XREAの無料プランにDrupal 8をインストールし、正常に動作することを確認しました。今回は広告が自動挿入される無料プランを利用しましたが、12か月契約で月額191円で利用できる有料プランもあります。非常に自由度の高いサーバーなので、使ったことがない方は一度試してみてはいかがでしょう。
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Drupal 8初心者講座バックナンバー
Drupal初心者講座について
第1回 歴史に見るDrupal のDNA
第2回 Drupalはフレームワークか?CMSか?
第3回 Drupalの特徴
第4回 Drupal 8のインストール(1)
第5回 Drupal 8のインストール(2)
第6回 コンテンツを投稿してみる
第7回 ボキャブラリとタクソノミーを使う
第8回 コンテンツ管理におけるDrupalと他のCMSとの比較
第9回 Drupal 8のブロックシステム
第10回 Drupalの標準クエリービルダ Views
第11回 Drupalと他のCMSのクエリビルダー機能を比較
第12回 Drupal 8の多言語機能と他のCMSやサービスとの比較
第13回 Drupalの権限設定とWordPressやMovable Typeとの比較
第14回 Drupalのテーマシステムについて
第15回 Drupalの拡張モジュールの選定と利用方法
第16回 Drupalをもっと知りたい方に向けた各種情報