ANNAIマガジン
Drupalcamp Cebu 2017
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フィリピンのセブ島で開催されたDrupalコミュニティイベント「Drupalcamp CEBU 2017」に参加してきました。Drupal初心者向けのスキルアップを目的とした内容から、開発者向けの技術的なセッションまで幅広い内容のセッションが行われました。弊社はスポンサーとして参加し、弊社CEO 紀野が「日本政府が推進するオープンデータ公開におけるDrupalの役割」、太田垣(CTO)が「日本のDrupalコミュニティについて」というテーマで発表しました。

John Albin Wilkinsさんによる基調講演

基調講演はDrupal 8の「モバイルイニシアチブ」や「zen」テーマの開発プロジェクトを牽引する、John Albin Wilkinsさんによる「Drupal7からDrupal9へのロードマップ」という内容でした。Johnさんは、「ガートナーのハイプサイクル」を用いて、Drupal 6、Drupal 7、Drupal 8の各メジャーバージョンリリース時に起きた人々の期待度のサイクルについて説明しました。以下にJohnさんの講演内容の概要をご紹介します。

「Drupa l7からDrupal 9へのロードマップ」

Drupal 7からDrupal 9へのロードマップ

新しいバージョンのリリースと同時に人々の期待は一気に上昇していきます。しかし、ある地点を境に過度な期待はピークに達し、次に落胆により急激に落下します。

Drupal 7のリリース直後はviewsやpanelsなどの人気のモジュールがまだ安定バージョンとして利用できず、それを知ったユーザーが落胆し、「期待度の谷(Trough of Disillusionment)」が形成されました。その後、これらのモジュールが安定バージョンとして利用できるようになるにつれて、期待度は回復していきます。そして、最終的に生産性の安定期を迎えます。これらのサイクルはメジャーバージョンアップもたびに起こる現象です。

Drupal 7からDrupal 9へのロードマップ

多くのオープンソースプロジェクトはこの期待度の谷で死を迎えます。プロジェクトの継続的な発展や成長には、この谷を極力浅くし、その後の回復期間をいかに早めるかが大切になります。

Semantic versioning

Drupal 8ではSemantic versioningを導入する事で、8.2.6から8.3.0のようなマイナーアップデートの中でAPIの互換性を壊す事なく、継続的に新機能を追加する事が可能になりました。これにより、期待度の谷を極力浅くすることが可能になります。

Semantic versioningの導入によりDrupal 8からDrupal 9へのアップデートは、これまでのメジャーバージョンアップデートに比べて苦痛の少ないものになるでしょう。

Drupal開発者同士の交流

今回のDrupal camp CEBU 2017にはフィリピン国内だけではなく、台湾、インド、日本、フランス、アメリカから総勢150人以上のDrupal関係者が集まりました。

弊社はスポンサーブースに出展しスタッフの採用や日頃の取り組みに関するパンフレットの配布し、沢山の方々が興味を示してくださいました。開発者同士の情報交換も盛んに行われ、海外のDrupalビジネスの動向について有意義なやり取りができました。

Drupal開発者同士の交流

 

弊社セッション

日本政府が推進するオープンデータ公開におけるDrupalの役割

弊社CEO 紀野は「日本におけるDrupalを活用したオープンデータポータル」というテーマで発表しました。日本におけるオープンデータを取り巻く状況や自治体の取り組みを、弊社が手掛けた「京都市オープンデータポータルサイト」の事例と共に説明しました。この事例はDrupalベースのオープンデータプラットフォーム「DKAN」を元に自社開発したもので、2017年度 グッドデザイン賞を受賞いたしました。セッションの後、「自分も同様にDKANでデータポータルの開発を行った経験がある」などの声を頂きました。DKANは世界中で政府や自治体に広く利用されつつあるプラットフォームである事を実感しました。

日本政府が推進するオープンデータ公開におけるDrupalの役割

日本のDrupalコミュニティについて

弊社CCO 太田垣は「日本のDrupalコミュニティについて」というテーマで、Drupal日本コミュニティの活動についての発表しました。過去に日本で開催された2回のDrupal Campや、毎月日本各地で開催されているDrupal Cafeの紹介。一風変わったイベント「Drupal温泉」の紹介など、国外のDrupal関係者に日本コミュニティの活動を知っていただけるような内容でした。今回の発表を通して、国境を越えた交流が少しでも盛んになればと願います。

日本のDrupalコミュニティについて

世界中のDrupalイベントに参加してみよう!

Drupalイベントは「DrupalCon」「Drupal camp」のような大規模なイベントから、「ミートアップ」などの小規模なイベントまで世界中で開催されています。詳細はDrupicalで確認できます。

イベント後の打ち上げの様子

世界中のDrupalイベントに参加してみよう!

これらのイベントに参加する事で、世界中のDrupal仲間と交流する事ができます。セッションに参加して、最新の技術動向を学ぶ、自分もセッションで発表する。イベント後のアクティビティを楽しむも良し。楽しみ方は人それぞれです。ぜひ、みなさんも世界中のDrupalイベントに足を延ばしてみてください。きっと新しい発見があると思います!

 
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この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

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