4/28(土)と4/29(日)にフィリピンのマニラで開催された「Drupal camp Manila 2018」にスポンサーとして参加してきました。フィリピン国内外から100人以上の参加者が参加するイベントでした。Drupalに関するセッションや初心者向けのDrupal入門ワークショップ、開発者向けのモジュール開発ワークショップ、コードスプリントなど盛りだくさんの内容でした。
Arra’di Nur Rizalさんによる基調講演
基調講演は8か国、5つのタイムゾーンでウェブインフラの構築やシステム開発などを幅広く手掛けている、Zywielab社の代表Arradi Nur Rizalさんによる、Drupalのビジネス活用に関する話でした。
DrupalはRESTful API(JSON?)を利用して様々なシステムやデバイスと連携できる強みがあり、ビッグデータや機械学習など、これからのビジネスを支えるプラットフォームとして最適であるとのことでした。
各種セッションの紹介
基調講演の後は各部屋に分かれてのセッションでした。ここではいくつかセッションをご紹介します。
DrupalのWebアクセシビリティについて
Donnabel Carato(Promet source社)さんによるアクセシビリティに関するセッション。Drupal 8ではWebアクセシビリティの観点からどのような改良がなされたのかを説明しました。nav、article、sectionタグなどの使用によるセマンティックなマークアップが採用されている点や、視覚障がい者の方が利用するスクリーンリーダで利用しやすい設計など、Drupal 8ではアクセシビリティ面における各種の配慮がなされている点を紹介していました。
Code sexy with Git
Drupalによるホスティングサービスを提供するPantheon社のエンジニアLELANIE LUBAOさんによるGitの使い方に関するセッション。初心者向けにわかりやすくGitを使う意義や実際の利用方法について説明していました。
今回のイベントでは「Coding Girls Manila」という女性開発者を対象とした区分があり、このセッションもそちらで行われていました。女性が活躍するフィリピンらしく、多くの女性開発者が今回のイベントでも発表していました。
IoTとDrupalを利用したホームオートメーション
Joseph Bonillas(Pantheon社)さんはDrupalを利用して住宅内の電子機器を操作する実験を実演しました。API Firstを提唱するDrupalはIoT機器との連携がしやすく、今後、ウェブサイトやCMSとしての利用以外にも、さまざまな分野での活用が期待できるとのことでした。
このセッションでは、実際にDrupalのコンテンツタイプに設定されているフィールドの値によりwifi経由でデバイスの電源のオンとオフを行う実演をしました。フィールドの情報をViewsを用いてRESTful APIとして出力し、その情報を10秒ごとにwifi経由で読み取る仕組みでした。Drupal上のデータと実際のデバイスが連携しているのは興味深いものでした。
Dockerを利用したDrupal開発
Leolando Tan(Promet source社)さんによるDockerを利用したDrupal開発に関するセッション。チーム開発する際にDcokerを利用する事で開発者が迅速に同じ開発環境を構築する事が可能になります。Dcokerの使い方を1から説明するなど初心者向けのセッションでした。
ワークショップ
2日目には初心者向けのDrupal 8基礎ワークショップ、中級者向けのモジュール開発ワークショップ、上級者向けのコードスプリントが開催されました。今回は初心者向けのワークショップを見学させてもらいました。
Drupalの初心者向けにサイトの立ち上げから、基本的なサイト作成までをDrupalの基本機能を一通り利用して行うワークショップでした。初心者が簡単にサイトを立ち上げられるようにDrupalのホスティングサービスPantheonを利用するなど、初心者の向けにハードルを下げる様々な工夫が見受けられました。
セッション後に今回のイベントの主催者であるPaulさんにお話しをお聞きしました。初心者でも気軽にDrupalを学べる環境を作ることが、Drupal業界全体にとって大切なことであるとのことでした。これは、ANNAIが「Drupal 8スタートブック」に込めた願いと全く同じものだと実感しました。
Drupalフィリピンコミュニティの皆様ありがとうございました
前回の「Drupal Camp Cebu 2017」に続いてのフィリピンでのイベント参加でした。毎回ですが、Drupalフィリピンコミュニティの活発さには驚かされます。フィリピンではコミュニティ主導で教育プログラムを実施するなど、初心者が入りやすい体制を整えています。
世界中から集まるDrupal仲間ディスカッションを重ねることで、私たちがDrupalコミュニティにどのような貢献ができるのかを再認識することができました。今後もANNAIは世界中のDrupalコミュニティと連携を取りながら、Drupalを盛り上げていきます。
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