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セブITパーク
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セブには「ITパーク」と呼ばれる、アメリカやヨーロッパなどの外資系企業やIT企業のオフィスが集中している地域があります。マイクロソフト、google、IBM、JP Morganから、京セラ、NECなどの日本企業まで様々な会社のオフィスがITパークには存在します。

各国のコールセンターが集中

ITパークの主要産業はコールセンター業務です。フィリピン人の高い英語力を活かし、英語圏の様々な製品やサービスのカスタマーサポート業務を担っています。実際に現地の人に聞いてみると、立ち並ぶビルのかなり多くがコールセンターとの事でした。夜に訪れた際にも、オフィスは電気が付いていて、24時間体制で業務を行っているのが伺えます。

セブITパーク

オフィス以外にもバーやレストランなど、様々なアクティビティを楽しめる施設が沢山あります。セブにお越しの際にはオススメのスポットです。

セブITパーク

コールセンターで実際に働いている人に話を聞いてみました

どんな人が働いているのか?

実際にコールセンターで働いている方にお話しを聞いてみました。私が話を聞いた女性3人は全員、セブ島の出身ではなく、ボホール島、レイテ島、ミンダナオ島など周辺の島々から出稼ぎに来ていました。

ITパーク周辺の屋台でご飯を食べながらお話しを聞きました。

セブITパーク

これら周辺の島々の主な作業は農業や漁業であり、より高い賃金を求めて多くの労働者がセブ島に出稼ぎに来るそうです。彼女たちはセブ市内のアパートの一部屋を4人でシェアして暮らしています。

コールセンターの賃金は他の業種に比べて給与もかなり高く、英語が得意な人にとってはより高い賃金を得られる魅力的な業種との事でした。

フィリピン人はなぜ英語が得意なのか?

彼女達と話していて、一つ気付いた事がありました。会話の中で現地の言葉を一切使用しない点でした。恐らく、現地語が分からない私に配慮して英語を使ってくれているんだろうと思ったのですが、どうやらそうではないようでした。

理由は、彼女たちの間でも英語を使わないと言葉が通じないためでした。

フィリピン国内には7000以上の島があり、170の言語が存在するそうです。それぞれの、言語は日本の方言とは違い、独立した言語です。そのため、それぞれが故郷の言葉を使っていると話が全く通じません。

1900年代にアメリカの統治下で、この問題を解決するために英語教育が盛んに行われたそうです。その結果、ほとんどの国民がある程度の英語を話す事ができるようになったそうです。

連続テレビ小説「ひよっこ」を彷彿とさせるフィリピンのコールセンター

コールセンターで働く、彼女たちインタビューするうちに、NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」を思い出しました。集団就職で上京した主人公達の生活を描いたドラマでした。主人公は電気メーカーの女子寮で集団生活をしながら、電気部品の組み立て工員として働きます。寮に住む他の登場人物も地方出身で集団就職のために上京してきた「金の卵」達です。

参考:連続テレビ小説「ひよっこ」

「ひよっこ」は東京オリンピックが開催された1964年が舞台でした。当時から50年以上経った今、現代のフィリピンと当時の日本では産業構造は違いますが、似たような状況が起きているのではないかと思いました。

  • 日本:電子部品工場→フィリピン:コールセンター
  • 日本:地方からの出稼ぎ→フィリピン:周辺の島々からの出稼ぎ
  • 日本:寮で集団生活→フィリピン:アパートでルームシェア生活

現状では「ITパーク」の多くの会社はフィリピン資本ではなく、外資系の会社です。フィリピン資本の会社が育ち、影響力を持つようになるまでには、まだ時間がかかるかもしれません。

セブITパーク

しかし、以下の人口ピラミッド図からも明らかですが、フィリピンは若い世代が多い国です。今後、高い語学力と豊富な労働人口を武器に経済発展を遂げるポテンシャルのある国だと感じました。フィリピンには「ひよっこ」の時代の活気と可能性があるのを実感します。今後の発展に注目です。

日本とフィリピンとの人口ピラミッドの比較

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出展:PolulationPyramid.net

 
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この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

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