ANNAIマガジン
はじめてWEB業界で働いた私が、2年半の完全リモートワークで感じたこと 
この記事の目次

なぜANNAIはリモートワークを導入したのか?

ANNAIは京都に本社を置く会社です。しかし、社員は大阪、北海道、新潟、東京、タイ、オーストラリアから毎日オンライン上でミーティングソフトを繋ぎながら働いています。

なぜANNAIがリモートワークを取り入れたのかと言うと、単純に初期メンバーが全国に散らばっていたためでした。リモートワークを導入したと言うよりは、メンバーの居住地がみんなバラバラなので、自然とリモートで働く事を前提として考える必要がありました。

中には「生産性が高い」「ライフワークバランスの両立」などの理由でリモートワークを導入する企業が多いとは思いますが、ANNAIの場合はそれしか方法がなかったという方が正しいかもしれません。

私のリモートワーク

私は2016年の春からANNAIで働き始めました。入社後最初の数週間は大阪のオフィスで勤務していましたが、その後は新潟の雪深い里にある自宅から完全にリモートワークを始めました。

窓の外は雪景色窓の外は雪景色
薪ストーブで猫と一緒に暮らしています薪ストーブで猫と一緒に暮らしています
 

入社当初は当サイトコンテンツ作成や、サイトのリニューアルを主に担当していました。その後、「Drupal 8 スタートブック―作りながら学ぶWebサイト構築」の執筆や編集、Drupalによる開発、新規事業「KAIZEN ANNAI」の企画設計、など様々な業務を完全にリモートで行ってきました。

Drupal 8 スタートブック―作りながら学ぶWebサイト構築

私は元々、Web業界で働いた経験は浅く、配管作業などガテン系の完全にオフラインな世界で体を使って働いた経験の方が多い人間でした。そのため、私にとっては初のWeb業界で、初のリモートワークという初めてだらけの経験でした。

2年間で感じたリモートワークのメリット

時間的に余裕ができる

私は自宅で働いているので通勤時間はゼロです。朝は余裕をもって生活ができます。特に私は雪深い新潟の山に住んでいるので、朝、雪かきをして車を掘り出さなくて良いのは助かります。

車が寿司みたいになります雪国では車が寿司みたいになります

東京や大阪で電車通勤をする人の約半数は、片道1時間以上を通勤に費やしているそうです。一日8時間労働と考えた場合に2時間の通勤時間はとても大きいものだと思います。

リモートワークでは通勤に時間を割かなくて良いので、その時間を本来の業務に充てることができます。これはとても大きなメリットだと思います。

参考:東京・大阪の「通勤時間」はやはり長かった(東洋経済ONLINE)

自分の好きな環境で働ける

自分の好きな環境で働く事ができます。私はどうしても都会のコンクリートジャングルになじめないので、生まれ育った地元新潟で自然に囲まれた環境で働けるのはとても快適です。仕事の後は地元の仲間と空手をしたり、週末にはスッポンや蟹を取って食べたり都会では体験できない生活を送ることができます。

すっぽんを獲ってすっぽんを捕って
食べますすっぽん鍋にして食べます
 

ペットと働ける

私は自宅で猫と一緒に働いています。私の他にも猫やウサギなどペットと働いている社員もいます。オンラインミーティング中に猫の声が聞こえてくることも良くあります。

猫と働く猫と働く
ウサギと働く
ウサギも働く
 

自然とペーパーレスになる

リモートで同僚と働くとなると、情報の共有をオンライン上でする必要があります。そのため、紙ベースで情報を管理する習慣がなくなりました。事務や会計などバックオフィス業務を完全にペーパーレス化する事は困難ですが、私の業務に限って言えば100%ペーパーレスです。zoom、Slack、Google docs、Redmineなどのオンラインツールを活用すると、ほぼペーパーレスが実現できると思います。

海外からでも働ける

フィリピンのセブ島で開催された、DrupalCamp Cebuに参加したついでに一か月ほどそのまま現地に滞在してきました。安定したネット接続環境が確保されていれば、旅先から勤務する事も可能です。セブではプール付きのコンドミニアムで勤務していました。

プール付きのコンドミニアムプール付きのコンドミニアム
セブのエンジニアと勉強会セブのエンジニアとの勉強会
 
 
 

組織としてリモートありきならデメリットは特に感じない

デメリットに関していえば、個人的には特に感じたことが無いというのが正直な感想です。2年間、リモートワークで働いてきたため、それが当たり前になってきています。リモートワークのメリット、デメリットに関しては色々と論じられることが多いですが、ほぼ慣れとツールの導入で解決できるのではないかと思います。

ANNAIの場合は全員がリモートワークをしているため、あらゆる業務自体をリモートで行うことを前提に最適化してきました。「オフィスありきでの一部リモートワークの導入」ではなく、「最初から全員がリモートワーク」という前提の下にビジネスモデルや業務フローを考えているのは、デメリットを感じない理由かもしれません。

リモート忘年会
大阪、東京、北海道、新潟、タイからのリモート忘年会
 

リモートワークを導入する際の注意点

リモートワーク経験のない人とのコミュニケーションには配慮を

日々リモートワークで働いている、社内の人々とのコミュニケーションに関しては全く支障がないと思います。ただ、リモートワークに慣れていない外部の方々と共同でプロジェクトを進める場合には、各種ツールの使い方や情報共有のやり方など、事前にしっかりと決めておく必要があると思います。

現状、日本ではリモートワークは一般的ではなく、リモートワークに慣れている側の人間は少数派であるという認識を常に念頭に置いて、不慣れな方々にはそれを前提にした配慮をする必要があると思います。

それはリモートワークだから起きる問題なのか?問題の本質を見極める

人間が2人以上集まれば、大小さまざまな問題が生じます。これはリモートであっても、同じ場所で働いていても、多かれ少なかれ必ず生じます。

問題が生じた際には、

それはリモートだから生じる問題なのか?
それとも、リモートでなくても生じる、もっと根本的な問題なのか?


それをしっかりと見極める必要があると思います。
特に初めてリモートワークを導入する組織では、その見極めが困難な場合もあると思います。
その際には以下の事柄を組織内で確認してみてください。

リモートワークがうまくいかない時に考えて欲しいこと

1.組織・個人として、それぞれリモートワークに何を期待するのか?

リモートワークに期待することは組織と個人では必ずしも一致しないかもしれません。組織としてはオフィス代等の経費節約、場所に依存しない採用戦略、生産性向上など経営面からのメリットを期待するのかもしれませんし、個人としては通勤時間削減などライフワークバランスの改善を期待するかもしません。両者が本当に期待することを明確化することは大切です。

2.組織・個人、両者のリモートワークに関する目的や方向性は一致しているのか?

1で明確化した両者の期待が、個人と組織の両者の思惑に一致するのかは大事なところです。リモートワークの導入が組織と個人の両方にメリットがない限り継続してくのは難しいと思います。

3.リモートワーク導入前にはその問題は発生してなかったのか?

前述したようにリモートワークが原因で生じている問題なのか、通常のオフィスワークでも生じる問題なのかの見極めはとても重要だと思います。オフィスで生じる問題はリモートワークでも生じる可能性が高いです。

また、物理的なオフィスとリモートが混在しているチームにおいては、オフィス側とリモート側で感じている問題意識や、その原因が異なる可能性もあります。オフィス側、リモート側双方の意見交換を行いながら問題の共有を行っていくことは大切だと思います。

4.その問題は各種オンラインツールの導入や組み合わせで解決できないか?

原因がリモートであることに起因する場合は、各種のオンラインツールで解決できないかを検討してみてください。ANNAIでは普段から以下のように各種ツールを組み合わせて業務を行っています。

  • Slack+Gyazoを使ってのコミュニケーションはメールより圧倒的に手軽で効率的です。
  • zoomでGoogleスプレッドシートを共有&編集しながら会議することでコミュニケーションコストを下げることができます。
  • Redmineのようなタスク管理ツールの利用で、リモートでもプロジェクトの進捗や個人のタスクの把握が容易になります。
  • Adobe XDにより画面遷移も含めプロトタイプの共有が可能になり効率的なデザイン作成が可能になります。
  • クラウドサインによる完全にオンライン上で完結する契約書締結により、書類の郵送や印刷の点が大幅に削減できます。
  • SmartHRを利用することで人事・労務業務の大幅な削減できます。
  • MFクラウド経費の利用で経費申請から承認までを自動化できます。
slackとGyazo
Slack+Gyazoの組み合わせはとても便利、画像URLを張り付けると即画像が展開されます。

5.ツールをルールの下で運用することで解決できないか?

ツールを導入しても問題が解決できない場合は、そのツールをどのように使って業務を行うかを、以下のようにルール化することは必要だと思います。ツールとルールの両輪があって初めてリモートワークは成功すると思います。

  • 毎朝9時30分にはzoomをつないでおく。
  • タスクは必ずRedmine上に他人が見て理解できる形で残す。
  • 週に1回は部下と1対1のzoomでミーティングを行う。
  • 各自の予定はGoogleカレンダー上で共有する。

6.お客様や外注先など外部の人々の協力も必要かもしれません

リモートワークをする上で絶対に忘れてはならない事があります。それは、残念ながらまだ世の中はリモートワークでは回っていないという事実です。

政府の進める「働き方改革」の流れもあり、リモートワークの導入を検討する企業が増えてきているという話を耳にしますが、まだリモートワークは少数派です。

そのため、ANNAIのように完全にリモートワークを実現するとなると、どうしてもお客様や外注先の協力や理解が必要な場面が出てきます。完全にリモートでビジネスを展開するANNAIのスタイルを理解してくださる、周りの皆様には日々感謝です。

リモートワークっていいですよ!

私はウサギアレルギーでウサギと同じ部屋にいると呼吸困難で倒れますが、リモートなら仲間がウサギと働いていても大丈夫です!また、都会になじめない森の生き物ですが、リモートなら森の中からでも勤務可能です。

世界中から必要な人材を集めることが可能な点や、ペーパーレス化やオフィスなどの固定費の削減など、組織から見てもリモートワークを導入するメリットは大きいと思います。

この記事がリモートワークの導入を検討している、もしくは既に導入済みで現在、問題を抱えている方々に
少しでもお役に立てれば幸いです。

 
フッターの採用情報
 
Kentaro Inoueの写真

この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

関連コンテンツ