Drupalcon Lille 2023: パート 2
Drupal さんの旅行記 第二章:暗雲を振り払う
旅行記第一章では、Drupal さんが近隣の町々を訪ねて得た知見を元にどのようなイニシアティブで Drupal 村の状況改善を図ったかについてが語られました。しかし暗雲は濃くなるばかりで、外からは Drupal 村が見えなくなりそうな程でした。さて、Drupal さんはこの状況をどのように乗り越えるのでしょうか。
Drupalcon Lille 2023: パート 1
10 月 17 ~ 20 日に開催された Drupalcon Lille に参加してきました。
フランス北部の Lille(リーレ)で開催された今年のヨーロッパの Drupalcon は、COVID 19 のパンデミック発生以降、欧州の Drupalcon としては初めてマスク着用が義務化されないイベントとなりました。参加者数は約 1,300 人と、パンデミック以前と同等の規模となりました。参加者達は会場中で和気藹々と話し合ったり、積極的にコントリビューションを行っていたりと、パンデミック以前と同様の活気に溢れたフレンドリーな雰囲気に包まれたカンファレンスとなりました。
キーノート:Driesnote
Drupal の創始者でありプロジェクトリードの Dries による恒例のキーノート “The state of Drupal” は Driesnote と呼ばれ、Drupalcon におけるセッションのハイライトの一つです。Driesnote では Drupal を取り巻く環境の分析と、それに基づく Drupal の戦略が語られます。
オランダ Drupal 協会の功績をオランダ政府が評価
オランダ政府による認知と評価
オランダ政府は、新規ウェブサイトのサプライヤーが "Stichting Drupal Nederland"(オランダ Drupal 協会)のメンバーであることを義務づけました。この決定は、オランダの Drupal コミュニティーの成長ならびに成功の顕著な証であり、同協会の創設者である Bert Boerland (バート・ブアーラント)およびその熱心なメンバーによる長年の献身的な努力が実を結んだものです。
協会設立の経緯とその活動内容
オランダ Drupal 協会は 13 年前 の 2010 年にバート・ブアーラントが当時 SUSE のシニアセールスエグゼクティブだった際に共同設立しました。当時、同協会は主にオープンソース CMS の Drupal に焦点を当てたオランダの DrupalJam イベントをサポートしていました。DrupalJam のイベントは 30 人という控えめな参加者から始まったものの、回を重ねるうちに数百人の参加者を集め、予算規模も拡大するなど急激な成長を遂げました。
Drupal が切り開くコンテンツ戦略の未来
Drupal は堅牢なコンテンツマネージメントシステムであるだけでなく、強力なデジタル体験プラットフォームでもあります。また、コンテンツ戦略においても重要な役割を担っています。
私は長年オープンソースを支持し、Drupalに貢献するなかで、組織が Drupal をどのように活用できるかについて考えてきました。また、デジタルエコシステムという大きな枠組みの中での Drupal の位置づけと、市場にある他の選択肢との比較について考えてきました。そして、新しいプロジェクトの戦略を練る際に、Drupal がどのようにその強みを生かすことができるかに思いを巡らせてきました。
Drupal はどのようにデジタル世界の現状にフィットするか
2022 年現在、ウェブサイトを立ち上げるのに要する時間は、一杯のコーヒーを淹れるのと大差ありません。これはウェブサイトが多くの類似した機能を持ち、もはやゼロから構築する必要がないためです。私がウェブの仕事を始めた頃は、Ruby on Rails のような柔軟性の高いフレームワークが魅力的に見えました。しかし、多言語コンテンツ、メディア管理、ワークフローなど、一般的な機能をカバーする標準的なソリューションがないため、プロジェクトごとにカスタム開発に膨大な投資が必要であることを程なくして知りました。
Drupal 導入前に必ず考えたい「保守」のこと
Drupal は非常に生産性の高い CMS・フレームワークです。しかし、コアのセキュリティー更新、コントリビュートモジュールの完成度や互換性、各種ライブラリのアップデートなど、気をつけなければならないポイントがいくつかあります。
Drupal コアのメジャーおよびマイナーアップデートは事前に決定されたスケジュールに基づき行われます。またバグフィックスや脆弱性対応などパッチレベルのアップデートに対しては、それぞれ月次のリリースウィンドウ(公開予定期間)が定められています。詳細については公式ドキュメンテーションを参照してください。
弊社が Drupal の開発を行ってきたなかで、主に保守(メンテナンス)の観点から重要なポイントを紹介したいと思います。弊社の Drupal 保守サービスにご興味をお持ちの方は「KAIZEN Drupal システム保守サービス」ページもご覧ください。
手軽に本格的な Drupal のローカル開発環境を構築してみよう
2023 年現在、ローカルで Drupal の開発環境を構築する場合は Docker を使った仮想環境を利用するのが主流になっています。この記事では、ローカル開発環境の構築を容易にする以下の 2 つのツールを紹介します: DDEV Lando
Drupal 7 のサポート終了が 2025/01/05 に決定
Drupal 7 のサポートは既に 2 回延長されてきましたが、今回の発表では、今後さらなる延長は行わないことが明言されました。 以前の延長とは異なり、さまざまな制約が加えられたことで、Drupal 7 サイトを安全な状態で保守することが今までよりも困難になります。「延長」という言葉で安心せず、告知の内容を熟読してサポート内容をしっかり理解したうえで、今後の保守やアップグレードについて計画することを強くお勧めします。 また、実質的には 2024 年末までに移行を終了する必要があることにもご注意ください。
政府ウェブサイトに Drupal を選ぶべき 6 つの理由
1994 年 7 月にアメリカのクリントン政権がホワイトハウスのウェブサイトを開設して以来、政府のウェブサイトは非常な進歩を遂げました。今日の政府ウェブサイトは、人口 5,000 人の小さな町から国全体まで、その管轄区域のすべての人に対してあらゆるサービスを提供することが求められています。最近のブログ記事「2023 年のベスト政府ウェブサイト」で紹介したように、魅力的なデジタル窓口として、幅広いオンラインサービスを最高の効率で提供し、すべての人にとって包括的でアクセスしやすい体験を提供することが期待されています。
Mass.gov: 市民中心の最高のウェブサイトを Drupal で実現
マサチューセッツ州は、 Drupal を用いて同州政府のデジタルプラットフォームの現代化を実施しました。新しいシステム搭載されたアナリティクスを最大限活用することで、オンラインを通じた市民との関わりを継続的に改善することが可能になりました。
Drupal がデジタル公共財(DPG)に認定
Drupal がデジタル公共財(DPG)に認定されました
Drupal コミュニティーの申請がデジタル パブリック グッズ アライアンス(DPGA)によって承認され、Drupal がデジタル公共財目録に登録されました。DPG は、ベストプラクティスを遵守し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するソフトウェアに付与されるものです。
LocalGov Drupal を紐解く
LocalGov Drupal はイギリスの地方自治体ウェブサイトの構築に特化した Drupal ディストリビューションです。このブログポストでは、LocalGov Drupal の機能概要だけでなく、地方自治体やユーザーが受ける恩恵についても説明します。
Group モジュール v2.0.0 / v3.0.0 の新機能
今回、ANNAI のスポンサーのもと Group モジュールに新機能が追加され、2.0.0-beta1 および 3.0.0-beta1 としてリリースされました(2023/01 の時点での最新版は 2.0.0-beta6 / 3.0.0-beta6)。なお、2 つのバージョンが同時に公開された理由は後に詳述します。
Group モジュールとは?
Group モジュールは、多数のログインユーザーを持つサイト上において、Drupal コアのロールや権限では実現できない複雑なアクセス管理を、グループを作成することで可能にするモジュールです。例えば、部署ごとにグループを作成し、それぞれのグループ内のページを閲覧できるのはグループメンバーのみとなるよう設定するという使い方が可能です。
なお、ANNAI は Group 1.0 の安定版のリリースの際にもスポンサーを行いました。