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この記事は「 Drupal Case Study : University of Minnesota 」の翻訳です。
この記事の目次

Drupal 8 海外事例:University of Minnesota

端的に言うと、ミネソタ大学は巨大な大学です。7万人近い学生が通っており、ミネソタ州の中で5つのキャンパス、10の大学を運営しています。1851年の創設以来、色々なことが進化しましたが、大学のコアな部分は変わらずに一貫しています。:理解することにより人生を豊かにすること、教育により学びを発展させること、研究により真実を追求すること。この活動全てをミネソタ州、アメリカ、世界中の人々の利益に繋げていくことです。

クライアント様はオラクル製のUniversal Content Management (UCM) SystemからDrupalへの移行を計画していました。既存のUCMは600以上のサイトを管理しており、かなりのストレージを保有していて、月間数百万ビジターを抱えていました。さらに、大学にはIT専門の部署があり、それぞれの大学で管理体制が敷かれており、ITチームも配置されていました。

クライアント様は、独立してホストされている独自のサイトを展開する部門にとって、魅力的で維持管理しやすい代替手段となるプラットフォームを作りたいと思っていました。いくつかのパイロットサイトは、プラットフォームのさまざまな実例を提供するのに役立ちました。

 

なぜDrupalが選ばれたのか

大学側にとっての課題は、関係者の様々なニーズを満たすサイト管理ツールを運営管理することでした。一つのサイトを構築するということ以上に、大学側は以下のことができることが求めていました。

  • 標準的なデザインや機能一覧から、素早く新サイトを立ち上げることができること
  • 一つのサイトをコンテンツ別や部署ごとのブランディングをできるようなサイトを作成すること
  • カスタマイズ要望に応えるために開発フレームワークを提供すること
  • サイト全体にコード変更を適用できるようにすること
  • ひとつも障害がないように、安定してセキュリティ上安全な状態を保つ

既存UCMのライセンス問題などがあるため、クライアント様は自分たちが所有できるオープンソースのソリューションを求めていました。上記のような間違いないプラットフォームを作るために、Drupalは正しい選択でした。

クライアント様は現在2種類のDrupalを管理しています。:キャンパスのごとに違う要望を満たすために、エンタープライズ向けとライトなDrupalを管理しています。

 

プロジェクトについて(ゴール、要望、成果)

一般的に、大学の規模によって様々な集中化、統合化の要望があります。学内のどの機関のウェブ上のプレゼンスが中心に置かれるべきかということは、大学が持つ文化やビジネスプロセスによって違います。ミネソタ大学様は、自分たちが向かうゴールに対して明確な理解があり、これほどの規模のサイト移行に出てくる課題を理解していただけではなく、このプロジェクトによってもたらされた色々な経験に感謝すらされていました。

組織変更管理の規模と潜在的な内部的影響は、過小評価すべきではありません。経験上、持続可能な組織の変化は、通常、進歩的で段階的な変化をするのが特徴であり、これはミネソタ大学にも当てはまりました。プロセスがすべてのステークホルダーにとって可能な限り透明であり、できるだけ多くの人々を議論に参加させることは、プロジェクトの成功にとって不可欠でした。

プロジェクトの初めごろに、大学中の100人を超える関係者が参加するタウンミーティング型の会合に参加しました。会合はプロジェクトの成功のために、ニーズを明確化することを目的としていました。

ミーティングの序盤で話し合った2つのユーザーシナリオはサイトを2つの方向性にまとめることに役立ちました。一つは個人や小さいグループ向け、もう一つは部署や大学規模の大きものです。この方向性によって、規模にあった柔軟性を提供しながら、セキュリティパッチをできるだけ効果的に提供する環境を得ることに成功しました。

Drupalのインストールプロファイルという機能を使って、新サイトは標準的な部門単位のサイトのようなうまくいっているサイトから、色々なものをコピーできるようにしました。学内の開発者やサイト管理者は、新サイトを構築するための機能ライブラリを持てるようにしました。サイトのあらゆるデータは自動プログラムを使って旧サイトから新サイトに移行しました。そのことでマニュアル作業の手間が大幅に削減できました。

サイト利用者をサポートするために、学内のトレーナーは、他スタッフをちゃんと教育できるように色々訓練しました。プロジェクト進行中にデモ画面を録画して使用法を共有しました。その他特定の操作方法についても録画し、大学関係者に共有しました。

最後に、これらのトレーニングセッションやプラットフォームの使用に関する広範囲な補足資料を提供しました。このプロセスは、この新しいプラットフォームをインストール、移行、および管理する方法を関係者に示すうえで不可欠でした。これらの活動は、どんな目的であれウェブサイトを必要とする大学関係者を力付けるためのものだったと思っています。

現在ミネソタ大学には、大学キャンパス、学部、組織、小規模から大規模なグループなど、常に重要なブランドに関わる人々の間で、大学全体で利用できるプラットフォームがあります。それぞれのサイトは独自の声を作りだしました。このサイトによって、大学サイトに一貫してハーモニーが生まれ、予算、セキュリティ、インフラ部分が効率的になりました。

 

終わりに

いかがでしたか?プロジェクトを成功に導くために、サイト運営関係者のニーズを組みながら、規模に応じたサイトを複数作っていった点がポイントだったと思います。さらに、運営がスムーズになるよう、トレーニングにも時間を割いているのが素晴らしいと思います。

たくさんの関係者がサイト運営に関わる場合、実務を標準化することがブランドメッセージを的確に伝えることにもつながるので、ぜひ参考にしたいところです。

弊社の開発実績にも広島大学などの実績がありますので、よろしければ参考にご覧ください。

 
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この記事を書いた人: Kentaro Inoue

ANNAI株式会社
マーケティングマネージャー
サービスの設計・企画、マーケティング、採用戦略の立案などを担当。普段は新潟で猫と一緒に、時々海外からリモートで働いています。好きなモジュールはRulesとFlagです。

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